菊地の【ロレックス】通信 No.086| 意外に知られていないオイスター パーペチュアル デイト34のこと。

34mmでのみ展開されるデイト付きコレクション

 2020年にカラフルにモデルチェンジを果たして話題となったオイスター パーペチュアル(以降オイパペ)。それに伴って存在感が薄れているのがオイパペのデイト付きモデル、オイスターパー ペチュアル デイト34(以降オイパペデイト)だ。もともとデイト付きベーシックなラインといえば圧倒的にデイトジャスト。そのため以前から注目されるようなモデルではなかったのだが、モデルチェンジされたオイパペの登場で近年はさらに陰が薄くなったような気がする。そこで意外に知らない人もいるのでは、ということでオイパペデイトに今回注目してみたい。

 実は、先ごろモデルチェンジを果たしたデイト表示の無いオイパペは1970年代に生産終了した後は、2008年に34mmから36mmケースに大型化して復活するまで、長い期間生産されなかった時期があった。それに対してこのデイトについては1960年代のRef.1500からずっとケースは34mmのまま生産が続けられた、かなりのロングセラーモデルなのである。

1960年代の初代オイパペデイト、Ref.1500

 当初はゆっくり表示が切り替わる一般的なデイト表示だったが、1970年代の個体からは午前0時前後に瞬時に表示が切り替わるデイトジャスト機能が搭載された。しかし80年代後半までは1500系の旧型自動巻きムーヴメントだったこともあってデイトジャストとの性能面での違いは明確だった。

 それが、90年頃に登場した第2世代、Ref.15200からは当時のデイトジャストと同じCal.3135が搭載され、さらに2007年に3代目として登場した現行モデル、Ref.115200 は外装がブラッシュアップされて高級感が増すなど、もはやデイトジャストとの違いはほとんどなく、違いはケースがデイトジャストよりも2㎜小振りな34㎜という点だけとなっていたのである。

左がオイパペデイトのRef.115200、右がデイトジャストの126300。ほとんど同じなのがわかるだろう

 そのためロレックスの公式ウェブサイトが新しくなって機能と素材で絞り込みができるようになってからというもの、デイトジャスト36のサイズバリエーションとしてデイト34の名前で掲載されるという不思議な状況になっているのだ。しかも、オイスターパー ペチュアル デイト34で検索しても出てこない、“デイト34”でようやく出てくるありさま。つまり、モデル名からはオイパペデイトにたどり着くのはかなり難しくなっておりとてもわかりにくい。もはや中途半端な存在なのだということがこのことからもうかがえる。

 そう考えると、これはあくまでも筆者の憶測にすぎないが、いまだに旧型ムーヴメントであるということも併せて考えると、近い将来にオイスターパー ペチュアル デイト名自体はなくなる可能性は高いのではないか。

 ロレックスのエントリーラインでのサイズ展開に目を向けると、2008年にオイパペが復活してからというもの、36mmと39mmサイズのオイパペと、その下のサイズとして34mmにオイパペデイトとエアキングがあった。

 そこでロレックスは、2014年に34mmだったエアキング名を廃止し、15年からオイパペのサイズバリエーションに34mmを追加。 16年にはエアキング名自体をパイロットウオッチとしてプロフェッショナルシリーズに独立させるなど、近年エントリーラインのコレクションをわかりやすく整理してきている。こう考えるとオイパペデイトもデイトジャスト34mmとしてラインナップしたほうが、性能面からしても自然な流れと言えるのだ。

手首が細い人であればなおさら36mmよりも34mmぐらいにほうがブレスの厚みのぶん、よりしっくりくるだろう

 さて、このオイパペデイトのステンレスモデル、Ref.115200(18金ホワイトゴールドベゼルはRef.115234)だが、現在のラインナップは文字盤カラーが写真のシルバーに加えて、ブラック、ピンク、ブライトブルー、ホワイトの5色が展開されている(インデックスは共通)。そして国内定価は68万7500円(ゴールドベゼルは80万9600円)。対して並行輸入市場では、それよりも若干高い70万円前後だ。

 以前に書いたエアキングの記事のときにも触れたが、オイパペデイト最大の魅力はこの34mmというサイズ感である。34mmと聞くと現代ではとても小さく感じられるが、現在のロレックスはブレスレットが若干厚めでしっかり作られているため、手首が細い人であれば36mmよりも34mmぐらいのほうがブレスの厚みのぶん、よりしっくりくる場合が多い。特にブレスタイプの腕時計の場合は、サイズが合わないと逆に着けていてストレスになってくることがある。その意味でも特に長く愛用するうえではいちばんに大切なことだ。デイトジャスト狙いの人は、ぜひ一度、オイパペデイトも着け比べてみることをオススメする。

オイスター パーペチュアル デイト34
Ref.115200
【実勢価格DATA】
国内参考定価:68万7500円
新品実勢価格:60万円台後半〜70万円台
USED実勢価格:50万円台前半〜60万円台

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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