誕生から90周年を迎えた代表コレクション“レベルソ”にスポットライトを当て、新作モデルを発表した名門ジャガー・ルクルト。“Watches & Wonders2021”で発表された注目モデルをお届けしよう。
》誕生から90周年を迎えたレベルソから多彩で魅力的な新作を発表
伝統を守りつつ革新的な時計を世に送り続け、設計から組み立て、装飾などに至るまで、時計が完成するまでに必要な一つひとつの工程を自社で行うマニュファクチュールの伝統を守り続ける数少ないブランドであり、“グラン・メゾン”とも称される名門ジャガー・ルクルト。1833年の創業以来、アイコンとなる様々なモデルを輩出しているが、そのなかにあって、同社の気風を象徴するコレクションといえるのが“レベルソ”だ。
2021年は、“レベルソ”の誕生から90周年というアニバーサリーイヤーに当たり、新たに開発された自社製のCal.826を搭載した限定モデルのほか、1931年に誕生したファーストモデルからインスピレーションを得た“レベルソ・トリビュート・スモールセコンド”の新色、6年もの歳月をかけて開発された超複雑機構モデル“レベルソ ハイブリス・メカニカ キャリバー185”など、レベルソに焦点を当てた新作を発表。革新性と伝統を兼ね備えたラインナップにより、レベルソの誕生90周年を彩った。
<レベルソ・トリビュート・ノナンティエム>
レベルソ誕生から90周年を迎え、ジャガー・ルクルトはレベルソが紡ぐストーリーの最新エピソードとしてレベルソ・トリビュート・ノナンティエムを開発した。全く新しいデザインを展開するこのモデルは、クラシックでありながら大胆なスタイルを卓越した複雑機構と融合し、洗練されたエレガンスを体現している。
オリジナルデザインの主な要素を大切にしてデザインされたノナンティエムの表文字盤は、スモールセコンドのカウンター内にムーンフェイズ、12時位置のグランド・デイト表示にサンレイブラッシュ仕上げのダイヤルディスプレイを配置。グランド・デイト表示にピンクゴールドのフレームをあしらい、ケースの象徴的な長方形の形状を際立たせている。
ムーヴメントは、ノナンティエム用の新しく開発された手巻きのキャリバー826を搭載。230個の部品で構成されたこのキャリバーは、時計の両面で同時に時刻を表示でき、42時間のパワーリザーブを備える。
■Ref.711252J。PG(49.4×29.9 mmサイズ)。3気圧防水。手巻き(自社製Cal.826AA)。462万円
ケースを反転することで姿を現すのは、時計製造で親しまれている複雑機構のまったく新しいデザインだ。裏面には1930年代にジャガー・ルクルトが腕時計向けに開発したデジタル表示を彷彿とさせるセミジャンピングアワー表示を採用し、ナイト&デイを示す太陽と月をあしらった回転ディスクの下側の目盛りには分が表示されている。
このディスクは、メティエ・ラール工房で制作された、鮮やかなブルーのラッカー仕上げの3/4プレートで部分的に隠されており、夜空を描く小さな金色の星が散りばめられている。中央の小さなサークルでは、ゴールドの太陽と月が地平線の上を通過することで夜と昼を示し、地平線の下の半円には、サンレイパターンの背景にJLロゴが取り付けられている。
<レベルソ・トリビュート・スモールセコンド>
1931年にデザインされた当時のモデルの特徴をそのままに再現しているレベルソ・トリビュート・スモールセコンドの新色。レベルソが誕生した1930年代の時計製造の主流は、シルバーダイヤルの懐中時計であったが、多くの時計を製作するマニュファクチュールの中でも、ジャガー・ルクルトはカラーダイヤルを備えた時計を製作する唯一の存在であり、存在感を際立たせていた。レベルソ誕生後、1年以内にオリジナルのシルバーダイヤルにチョコレートブラウン、ブラック、レッド、バーガンディ、ブルーといったカラフルなカラーバリエーションを展開し、これによりレベルソは現代性にさらなる磨きをかけ、印象的なデザインとして確立されたとされている。
新作ではサンレイブラッシュ仕上げとラッカー仕上げを施した文字盤に落ち着いた色合いのグリーンを採用。奥深いカラーリングは、ジャガー・ルクルトの誕生の地、ジュウ渓谷を包み込んでいる松林の深いグリーンを連想させる。同系色のレザーベルトとのコンビネーションも美しい。
■Ref.3978430。SS(45.6 X 27.4mmサイズ)。3気圧防水。手巻き(自社製Cal.822/2)。99万4400円
【画像】超複雑機構を搭載したジャガー・ルクルトの新作、“クアドリプティック”をチェック!
》問い合わせ先
ジャガー・ルクルト
TEL.0120-79-1833
公式サイト:https://www.jaeger-lecoultre.com/jp/jp/home-page.html
文◎船平卓馬(編集部)