【ロシア最古の工場でムーヴメントまで製造】日本未上陸のロシアンウオッチ、“ラケタ”に注目

》ロシア時計産業の歴史を独創的なデザインで表現

 ”ラケタ”が誕生したのは1961年。人類初の有人宇宙飛行を実現した旧ソ連の宇宙飛行士、ユーリ・ガガーリンの偉業を称えて、ロシア語で”宇宙ロケット”を意味するブランド名を採用している。

 ラケタの時計はロシアのサンクトペテルブルクにあるペテロドヴァレェツ時計工場で製造されている。この工場は、1721年にピョートル大帝により鉱石のカッティングを行うペテルホフ鉱石加工場を原点としており、工場としてはロシア最古のものとされている。

 旧ソ連の国営工場で製造されていた当時の機械はもちろん、それ以前からの、ロシアの工業の歴史が時計のなかに継承されているのだ。

 機械部品の全てを自社生産している世界でも数少ない時計ブランドのひとつでもあるが、驚くべきはムーヴメントはもちろん、ムーヴメントの心臓部と言えるヒゲゼンマイも製造しているという点だ。

 このヒゲゼンマイは、時計の中で最も製造が難しい部品であり、0.5ミクロンの精度で特別な合金から製造されている。


 ラケタの時計のムーブメントの部品は、100人以上の専門家により手作業で作られ、ひとつの時計から、250近い部品で構成されている。

 コレクションは、宇宙、空、海、そしてロシアの歴史ある芸術や文化にインスパイアされ、様々なカテゴリー展開されている。今回はラケタのコレクションの中から、3つのモデルをご紹介する。


Raketa(ラケタ)
バイコヌール 0245

 ラケタの代表作のひとつ、バイコヌール0245。宇宙滞在回数6回、宇宙滞在日数803日の記録を持つ宇宙飛行士、セルゲイ・クリカレフとともに開発された。

 宇宙の過酷な環境に耐えながらもシンプルかつ堅牢な時計には、特殊な機械式ムーブメント2624Aが搭載されている。
通常は12時間で終わる時針が24時間で1回転するようになっており、24時間で16回の日の出と日の入りがある国際宇宙ステーション(ISS)で、昼夜を区別することができる。

 ケースサイズは43mm、ねじ込み式リューズ、サファイアガラスを採用し、価格は1,200ユーロ(約15万6千円)となっている。


Raketa(ラケタ)
ロシアンコード 0276


 ロシアンコード 0276は、既存の時計回り(右回り)ではなく、地球や他の惑星が太陽の周りを反時計回りに回転しているユニークなモデル。太陽系の動きと自然に調和するこの時計には、時計の針が逆方向:左回りに動く独自ムーヴメントが搭載されている。

 月を模した秒針が現実世界と同じように地球の周りを反時計回りで運針。搭載されているキャリバー2615Rは、もちろんサンクトペテルブルクの自社工場で製造されている。
 
 40.5mmのケースにサファイアクリスタルを採用し、販売価格は1,450ユーロ(約18万9千円)。300本の限定生産となっている。


Raketa(ラケタ)
アヴァンギャルド 0279
 最後に紹介するのは、ロシアの前衛芸術運動”アバンギャルド”からデザインのインスピレーションを得た、”アヴァンギャルド 0279。

 大胆かつカラフルな幾何学模様を針に採用しているが、三角が時針、丸が分針、矢印が秒針となっており、ロシアの抽象芸術家、ワシリー・カンディンスキーの作品を彷彿させる。

 40.5mmのケースにサファイアクリスタルを採用し、自動巻きムーブメント2615は自社製造され、 販売価格は1,350ユーロ(約17万5千円)で、300本の限定生産だ。


》Raketa(ラケタ)公式サイト
https://raketa.com/w/en/


文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。

https://www.instagram.com/spherebranding/

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