ディープシー スペシャル ナンバー1が16年振りにクリスティーズに出品|【ロレックス】通信 No.113

 久しぶりに大きなニュースが入ってきた。ロレックスファンの方ならご存じと思うが、驚異的な防水能力を証明した伝説のモデル、ディープシー スペシャルナンバー1が、世界的なオークションハウス、クリスティーズに出品される。

 ディープシー スペシャル ナンバー1とはどのような時計なのかを簡単に説明すると、ロレックスのダイバーズウオッチのコンセプトを完成させるため、防水性能の限界にチャレンジすることを目的に開発された潜水時計だ。

最初のプロトタイプ、ディープシー スペシャル ナンバー1(www.christies.com)

 1953年9月30日、スイスの物理学者、オーギュスト・ピカールが設計した深海潜水艇バチスカーフ・トリエステ号によって地中海で行われた3150メートルの深さまでの最初の深海トライアルの際、船体に取り付けられて防水能力がテストされた最初のプロトタイプである。

 クリスティーズによるとこのディープシー スペシャルは1953〜60年の間に七つのプロトタイプが作成されたと言われているらしく、これまでに特定されたのは三つだけだと言う。

さらに風防には凸レンズのようにドーム状に張り出したプレキシガラスが採用された。ケースもかなり分厚い(www.christies.com)

 おもしろいことにディープシー スペシャルがもう1本、同じ11月にオークションハウスのフィリップスにも出品される。これについてはクリスティーズの公式資料にも触れられていて、それによると1960年代初頭から中期にかけて、一般の人々にも紹介するためのディスプレイモデル、つまりプロモーション用に30本以上が製造されていたようで、現に2009年のクリスティーズオークションでもその内の31番が販売された。今回フィリップスに出品されるモデルも、それと同じ1960年代の35番で、ナンバー1とは別物と言うことだ。

ちょっと見えにくいが裏ブタにはNo.1と大きく刻印されている(www.christies.com)

 ちなみにディープシー スペシャル ナンバー1は2005年11月にクリスティーズに1度出品され、32万2400スイスフランで落札されている。ただ、16年前とは状況がだいぶ異なるため、今回のハンマープライスはどれだけの金額が出るのか、かなり注目されるだろう。

 オークションは、2021年11月8日にジュネーブのフォーシーズンズホテル・デ・ベルグで開催されるクリスティーズレアウオッチオークション。

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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