かつて人気を博した90年代の時計たち! 【第14回|チュードル(チューダー) クロノタイム】

 前回の第13回「ロレックスのサンダーバード」に続いて今回は、かつてロレックスのディフュージョンブランド(普及版)として位置付けられていたチュードル(現在はチューダー名になったがここではかつてのチュードル名を使わせていただく)の“クロノタイム”を取り上げる。このモデルも90年代を語るうえで外せないモデルだ。
 
 クロノタイムは、ロレックスのクロノグラフモデルであるデイトナのチュードル版として1970年初出のオイスターデイト クロノグラフの後継機として、1976年にクロノタイム名で登場。ここに取り上げたのは1989年頃にリリースされたその2代目となる。

 バルジュー社の自動巻きクロノグラフムーヴメント、Cal.7750が搭載されたことから、オイスターデイト クロノグラフ時代よりもケースが厚くなり、海外のコレクターたちはこれを大きな塊“ビッグブロック”の愛称で呼んでいた。ちなみに日本ではラグの側面が蒲鉾を切ったときの形状に見えることから“カマボコケース”と呼ばれている。

クロノタイムの固定式ベゼルタイプ。右がスチールベゼルのRef. 79180。左がプラスチックベゼルのRef.79160

 このクロノタイムにはベゼルの仕様違いで3種類が存在する。固定式のタキメーター表示ベゼルが、プレーンなスチールタイプのRef. 79180と黒のプラスチックベゼルタイプのRef.79160の2種類。そして回転ベゼルタイプ(12目盛り表示)はRef.79170の1種類だ。

両者ともに回転ベゼルタイプのRef.79170。俗に言うこの通称パンダダイアル(右)と逆パンダダイアルもクロノタイムの魅力

 しかし、95年頃には早くもマイナーチェンジし、型番の79から始まる3桁目が「1」から「2」に変更されRef.792xxになった。ムーヴメントは同じ7750のため基本的なレイアウトは変わらないが、象徴だったカマボコケースではなくなり薄く滑らかな形状に変更、風防もサファイアクリスタルになるなど全体の印象は変わってしまった。加えて、リューズトップにあったロレックスの王冠マークがチュードルのロゴマークに変更されてしまったこともあって、この2代目まではいまだに高い人気を誇る。そんな現在の実勢価格は70〜80万円台が中心だ。

 さて、クロノタイムからちょっと話は逸れてしまうが、冒頭で触れたように現在はチュードルではなくチューダーが正式名称として使われている。これは2018年10月31日から日本での正式展開をスタートするに伴って正式な呼称として採用されたからだ。つまり、それまでチュードルとして日本に流通していたものは何十年もの間すべて並行輸入品だったのである。あえてチューダー名が採用された背景にはこんなことも関係しているのかもしれない。

クロノタイム(第2世代)
■商品データ
生産終了年:1995年頃
素材:ステンレススチール
ケース径:40mm
防水性:50m防水(新品時)
駆動方式:自動巻き(Cal.7750)
その他:クロノグラフ(30分積算計、12時間積算計)、スモールセコンド、日付け表示
当時の国内定価(税抜き):当時は正規取り扱いなし

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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