レビュー記事 国産時計

日本の美しい海をダイアルカラーで表現したセイコー プレザージュの新作【話題の国産ウオッチを本音レビュー|Vol.24】

 セイコーが培ってきた機械式時計の技法を世界にアピールすべく誕生したプレザージュ。落ち着いた佇まいでありながら、ムーヴメントのクオリティからケースの仕上げに至るまでセイコーの技術力が光っており、目の肥えた時計ファンから高い評価を受けているコレクションだ。そのプレザージュの新作“オーシャントラベラー”は、豪華クルーズ船での航海にインスパイアされて生まれたモデルだ。“日本の美しい海をクルーズで愉しむ”というコンセプトで、オトナの審美眼に合わせた新しい解釈のマリンウオッチとでもいえようか。

■Ref.SARF011。TI(40mm径/14.6mm厚)。10気圧防水。自動巻き(Cal.6R64)。セイコーグローバルブランドコアショップ限定。19万8000円

 

 まず外観で目を引くポイントはペールブルーの美しい文字盤だろう。さらに文字盤外周や針にあしらわれたネイビーブルーもいいアクセントになっている。世界を航行するクルーズ船というイメージからGMT針も備えているほか、6時位置にポインターデイト表示、10時位置にパワーリザーブインジケーターを搭載するなど、全体に表示が多い文字盤だが、すっきり見せるデザイン力はプレザージュらしい。

 ケースサイズは40mmと現行時計としてはベストなバランスだろう。ベゼルは12角形になっているが、これは船窓を意識したデザインだろうか。ケースから流れていくようなラグのフォルムも美しいし、チタンの質感も文字盤の美しさにマッチしている。装着したときの手首に張り付くようなフィット感も絶妙だが、これにはチタンケースの軽さも貢献していると思われる。

 搭載されているムーヴメント6R64は、ランドマスターシリーズなどにも採用された自動巻きGMTムーヴメントで、パワーリザーブは約45時間とまずまず。ケースバックはシースルー仕様になっている。ダイヤシールドで保護されたチタンケースの採用によって、耐アレルギー性も高まっているのも高ポイントだ。
 防水性能は10気圧とほどほどだが、マリンウオッチ風のルックスは爽やかで使い勝手がいいしプレミアム感も高い。全体に質感が高い機械式時計でありつつも、アンダー20万円という価格帯はお値打ち感がある。カラーバリエーションとして、このほかにトワイライトオレンジ(SARF012)、ナイトブルー(SARF013)も同時にリリースされているが、取り扱いはセイコーの主力コレクションに対する豊富な知識を持っているセイコー コアショップのみだ。

 さらに今回は限定200本ではあるが、国内最大級のクルーズ船として知られる飛鳥Ⅱとのコラボモデルもリリースされている。こちらは和の様式を取り入れるというコンセプトで、文字盤に温かいトーンが魅力的な琺瑯(ほうろう)を採用。この琺瑯ダイアルの製作を担当したのは、以前からセイコーとのコラボレーションで知られる国内屈指の琺瑯職人である横澤満氏で、繊細な色味を40mmに満たないサイズの時計ダイアルに表現するため、多くの工程を手作業で手がけている。深みのあるダイアルの色味は一見の価値があるので、合わせてチェックしてみてほしい。

飛鳥Ⅱ コラボレーション限定モデル
■Ref.SARF015。TI(40mm径/14.6mm厚)。10気圧防水。自動巻き(Cal.6R64)。セイコーウォッチサロン/200本限定。27万5000円

 

【問い合わせ先】
セイコーウオッチお客様相談室 TEL.0120-061-012
https://www.seikowatches.com/jp-ja/products/presage/special/oceantraveler/

構成◎堀内大輔(編集部)/文◎巽 英俊/写真◎編集部

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