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【人気の新世代ラグスポ】高振動自動巻きを搭載したアルパイン イーグルの限定チタン仕様

 いわゆるラグジュアリースポーツのトレンドはまだまだ収まりそうもなく、モデルによっては入手困難な状況が続いているが、こんなご時世だからこそ、これから盛り上がりそうなモデルに目をつけておくという視点の転換に意味がある。ショパールのアルパイン イーグルは今後確実に注目を集めるであろう(もっとも時計愛好家の間ではすでに多くの注目を集めているが…)モデルなのだが、その理由は圧倒的な作りの良さにある。今回は初となるオールチタン仕様の限定モデル「アルパイン イーグル ケイデンス 8HF」をフィーチャーして紹介しよう。

アルパイン イーグル ケイデンス 8HF
■Ref.298600-3005。TI(41mm径、9.75mm)。100m防水。自動巻き(Cal.Chopard 01.12-C)。世界限定250本。239万8000円

 まず手に取ってみて感じるのは、既存のSSモデルと比べると圧倒的に軽いこと(ちなみに総重量は31%減)。オールチタン仕様のため当然なのだが、加工が難しいチタンにもかかわらず、仕上げの質感は非常にハイレベルだ。ヘアラインの筋目が繊細なのに加え、ケースやラグのエッジの立て方がキリッとしていて素晴らしい。ショパールは以前から加工精度の高さで定評のあるブランドだが、ここにきてギアを一段上げてきた感がある。ブレスレットもコマ同士の繋がりが滑らかで、チタンの軽さも相まって装着感が良い。ラグジュアリースポーツというと大振りのケースを採用したモデルが多いこともあって、どうしても重くなりがちなのだが、この軽さと装着感の良さはかなりの魅力になってくる。

 ケースサイズは41mmと程良く、アクセントとなるベゼルの8本のビスも控えめで、見た目はかなり落ち着いた印象だ。ダイアルはシンプルな3針+デイト表示で、鷲の鋭い眼光を彷彿させるイーグルアイリス(虹彩)のパターンはインパクト満点。盤面は手作業による緑青塗装を施された明るめのトーンで、ケースのヘアラインともマッチしている。

 ケース厚は10mmを切っているが、ここにショパールのムーヴメント開発技術が光る。搭載されているCal.Chopard 01.12-Cはマニュファクチュールたる威厳を示す自社生産ムーヴメントだが、4.95mmという薄さにして毎時5万7600振動という超ハイビート仕様なのだ。

 それだけに精度は高いが、これだけパワフルだと気になるのは機械にかかる負荷である。その負荷を軽減するために、軽量かつ注油不要の単結晶素材のシリコンを、アンクルやガンギ車などの摩擦に晒されるパーツに使用。さらにシリコンの軽さを生かして、高振動脱進機を組み合わせることで駆動の効率化も図っている。しかもこのハイビートにしてパワーリザーブは60時間と余裕がある設計で、この辺は薄型ムーヴメントを追求してきたショパールの真骨頂といえる。薄型設計にしてハイビート化とパワフルな動力を両立させた点は高く評価すべきだろう。

 前述のように、3大ブランドを筆頭にラグジュアリースポーツモデルは需要が大きいこともあって、店頭では入手がかなり難しくなっており、アルパイン イーグルも徐々にこの傾向が強くなっている。しかもアルパイン イーグル ケイデンス 8HFは250本限定、オールチタンという物珍しさもあって注目を集めているため、入手したいなら早めのチェックをオススメする。その作りの良さは3大ブランドと十分に張り合えるほどハイレベルだし、ルックスは高級感があってコストパフォーマンスも悪くない。多くの人がその魅力に気づく前に、チェックしておくべき新作といえるだろう。

 

【問い合わせ先】
ショパール ジャパン プレス TEL.03-5524-8922
https://www.chopard.jp

構成◎堀内大輔(編集部)/文◎巽 英俊/写真◎笠井 修

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