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ちょい古さがいい!スポロレ最後のアルミベゼル仕様のサブマリーナー、14060M!|【ロレックス】通信 No.131

 先週もお伝えしたように、現行モデルはもはやおいそれと手を出せるレベルではなくなってしまった。ということで今回のロレックス通信は、前々回の旧型エクスプローラー I に引き続き、旧型のサブマリーナーノンデイト(日付表示の無いタイプ)を取り上げたい。そして旧型の中でも現行の二つ前の型番で、歴代のサブマリーナーの雰囲気が若干残るRef.14060Mだ。

 Ref.14060Mは2001年頃から2012までの約11年間販売されたレファレンスである。ここで注意したいのが“14060”という同じ型番がもうひとつ存在するということ。違いは末尾に“M”が付くかどうかだ。

 末尾に“M”がないRef.14060は1988年から2000年まで生産されていたもので、言わば14060Mの前身。外装面はほとんど変わっていないがムーヴメントが14060Mからは、それまで採用されていたCal.3000に代わってブラッシュアップされたCal.3130が搭載された。歩度調整機構をマイクロステラスクリューからマイクロステラナットへ変更し、精度の安定性と調整のしやすさが格段に向上したのに加えて、そのマイクロステラナットがある心臓部のテンプ部分は、片側だけの支えから両側から支えるツインブリッジ仕様に補強されるなど精度だけでなく耐久性も向上している。

 そんなCal.3130だが2007年頃からは、スイス公認クロノメーター検定協会、通称C.O.S.C.(コスク)による精度試験にパスしたクロノメーター機に変更された。それに伴って文字盤6時位置には認定を受けたムーヴメントが採用されていることを示す「SUPERLATIVE CHRONOMETER OFFICALLY CERTIFIED」の英文が新たに追加されている。この点もどの時期の個体かを外見から判断するのに役立つため覚えておくといいだろう。

 さて、このRef.14060Mの魅力は、回転ベゼルがアルミニウム製のトップリングを備えたスポーツロレックス最後のモデルであり、歴代モデルから続く雰囲気と味わいが残っているという点であろう。これの後継機であるRef.114060からは、ムーヴメントはもちろん、ベゼルのトップリングもセラミック製になるなど外装面の作りもかなり違う。より新しく堅牢な作りの114060もいいが、昔っぽい雰囲気もなかなか捨てがたい。ぜひショップで見比べてみてはいかがだろうか。

 なお、現在の実勢価格を調べてみたところ、14060Mも14060もだいたい120万〜130万円台といったところ。一方の114060は160万台後半から180万円台とグッと上がってしまうようだ。

【写真】サブマリーナー、Ref.14060とRef.14060Mの違いをチェック!

菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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