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80年代後半のバブル期の象徴だったデイトジャストの16200番台はいまおいくら?|ロレックス通信 No.154

デイトジャストの第5世代、Ref.12633。バブル期にこのイエローゴールドとステンレススチールのコンビモデルが大人気となった

 デイトジャストの第5世代にあたる16200番台は、3000系ムーヴメントの弱点をすべて改善されたCal.3135が搭載されて、前回取り上げた16000番台と入れ替わるかたちで1988年に登場した。それはまさに日本経済がバブル景気に突入した、そんなタイミングだったのである。

記憶が確かなら、当時はメルセデスベンツ、ルイ・ヴィトン、そしてロレックスが、手の届く高級ブランドと称されて人気を博していた時代。そのため著名人やプロスポーツ選手が、派手なスーツにサングラス、そしてルイ・ヴィトンのセカンドバックに手首にはロレックス。

しかもそれは金無垢かコンビのデイトジャストというスタイルが、なぜかカッコいいと思われていた時代だった。いまでは想像もつかないだろうが、こう聞いて「懐かしい」と思われる御仁も少なくはないのではないか。何を隠そうかくいう筆者もバブル世代のため当時コンビのデイトジャストを購入したひとりなのである。

ベゼルのみに18金ホワイトゴールドが使われているRef.16234。ケースとブレスはオールステンレス製である

 当時の状況についてロレックスの卸をしている会社から後になって聞いた話だが、この16200番台のコンビのデイトジャストは、バブル期の日本市場において一時的に商品が品薄になったといわれるほどバカ売れしたようだ。しかも当時の人気はいまと違ってベゼルだけ18金ホワイトゴールドのRef.16234ではなく、明らかに金とわかる18金イエローゴールドとのコンビが圧倒的だったらしい。

そんな16200番台だが、前回紹介したデイトジャストの第4世代、16000番台とどこが違うのか、それについて簡単におさらいしておきたい。

冒頭にも触れたように、最大の違いは3000系の自動巻きムーヴメント、Cal.3035からその進化版である3100系キャリバーの3135に変更された点である。もちろん弱点だったカレンダーの早送り機構や手巻きでゼンマイを巻くためのスライディング中間車の中心軸の減りも改善された。

16200番台から採用されたCal.3135。心臓部のテンプ(右下の金色の車輪のようなもの)を支えるブリッジが両側から支えるタイプに強化されているのがわかる。ロレックスの基幹ムーヴメントとして30年近くも様々なモデルに搭載された、まさに傑作中の傑作だ

 加えて、心臓部のテンプを支えるブリッジも片側からだけ支えていたものが両側から支えるツインブリッジ式(写真参照)に改良されるなど、耐久性だけでなく堅牢性も高まった。この3135は第6世代がモデルチエンジされる2018年まで、実に30年近くもデイトジャストに搭載されたのである。当然その間に部分的な改良は加えられているものの基本設計は同じ。いかに完成度が高かったのかがこの年数からもおわかりいただけるだろう。

一方で外装面での大きな変更は、風防ガラスが強化プラスチックからサファイアクリスタルに変更された点と、防水性能が50mから100mに強化された点である。それによって16000番台よりも若干モダンな印象になった。そして2004年のモデルチェンジまで約16年間製造されたのである。

さて、現在の中古実勢価格だが、ざっと調べたところ18金イエローゴールドのコンビタイプ、Ref.16233で60万円台半ばからあるが中心は70〜80万円台。ベゼルのみが18金ホワイトゴールドのRef.16234は60〜70万円台といったところである。

菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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