小スライド 意外と知らない時計知識

【Q117】合金スチールにはどんな種類があるのか

A.ルーセント スティールA223、エバーブリリアントスチールなど様々ある

 腕時計の定番素材であるステンレススチール。ステンレスとは錆び(=ステン)ない(=レス)という意味の名前のとおり、錆びに非常に強い特性を備えた鋼材である。
 主に鉄に10.5%以上のクロムを配合し、錆びにくくかつ強度を高めているのだが、高級時計メーカー各社はクロム以外にもニッケル、マンガン、モリブデンなど様々な金属を配合することで、耐食性や光沢を高める工夫をしている。
 なおステンレススチールについて、詳しくは同企画Q19にて取り上げている。

 今回は各メーカーが開発した、独自の新しい“合金スチール”の中から3種類の特徴的なスチールを紹介する。

 

ショパール
ルーセント スティールA223

通常のスチールの1.5倍の磨耗耐性と硬度を備えるというレアメタル。欧州(欧州新化学物質規制=REACH)に準拠。色味が白っぽくて、プラチナのような光沢を放つ。

 

セイコー
エバーブリリアントスチール

従来、海洋構造物や化学・食品系プラントなどの塩化物含有環境(海水や工業的に塩化物イオンと接する環境)にさらされる設備など、過酷な環境用に使われてきた素材。塩に対する耐食性が強い世界最高レベルのスーパーステンレス。

 

ジン
Uボートスチール

ドイツの最新鋭の潜水艦、Uボートの鋼鉄を使用。潜水艦の鋼鉄のため海水耐性が優れているだけでなく高い耐磁性も備え、さらに表面硬度が非常に高いという特徴をもつ。

 

文◎松本由紀(編集部)

 

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