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【未来感があふれる3D文字盤に注目】ラヤマエン ケロテヘダス、文字盤デザインで差別化を図るフィンランドのマイクロウオッチブランド

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 Rajamäen Kellotehdas(ラヤマエン ケロテヘダス)は2007年に時計職人シモ・ユリタロが創設した日本未上陸のマイクロウオッチブランド。ブランド名は“ラヤマキの時計工場”を意味しており、フィンランドの首都・ヘルシンキから北へ約45kmに位置するラヤマキを拠点として、フィンランドとスイスの両国で培った時計製造の知識と技術を、自らの時計ブランドへ落とし込んでいる。


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 シモ・ユリタロの時計職人としてのキャリアは、フィンランド時計専門学校で技術と専門知識を学ぶところからスタートしている。1991年に時計専門学校を卒業後、シモはヘルシンキの時計小売店で働き始めるが、時計製造の技術を高めるためにスイス・ヌーシャテルの時計技術者育成プログラムWOSTEP(Watchmakers of Switzerland Training & Educational Program) で継続して教育を受け続け、92年から95年まで、ピアジェのワークショップで時計職人として超薄型機械式ムーヴメントを扱う機会を得る。

 さらに学びを深めたいと考えたシモは、同じくWOSTEPのクロノグラフ、クロノメーター、トゥールビヨン、リピーター、パーペチュアルカレンダーの修復に特化した集中講座を受講。コース修了後、95年から98年までルノー・エ・パピで経験を積んでいる。

 スイスで学んだ技術を後進と共有し、継承していく必要性を感じたシモは、その後、フィンランドに帰国。ヘルシンキ近郊のエスポーにあるフィンランド時計専門学校(自身の出身校)で教鞭をとるようになり、途中、2007年から07年にカリ・ヴティライネンのワークショップで働いた期間を除いて、現在も教育活動を続けているそうだ。


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 その後、シモは教育活動を続けながら自身の会社、 ラヤマエン ケロテヘダスを2007年に創立。ブランドを創設した当初は複雑な時計の修復とプロトタイプの開発に焦点を当てていたが、11 年に最初の時計を発売して以降、現在は独自コレクションの開発と製造を進めている。

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 ラヤマエン ケロテヘダスの独自コレクションを生み出すのに際してシモが特にこだわったのが、競合する時計ブランドと差別化を図る文字盤の造形だ。1年以上かけてコンピューター上でモデリングを行ったシモは、多くのプロトタイプを作成するなかで、彫刻のように立体的な文字盤を備えたファーストコレクションを2011年に完成させることとなる。


Rajamäen Kellotehdas(ラヤマエン ケロテヘダス)
ラヤマエン ケロテヘダス12M

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 ラヤマエン ケロテヘダスの最新モデル。ユニークな3D文字盤は他の時計とは一線を画し、隆起したチャプターリングに時・分を表示している。時計を購入する際にカスタマイズできるのも特徴となっており、現在は文字盤とムーブメントリングはグレー、ブルー、レッド、ライラック、グリーン、オレンジ、ブラック、ブラウン、ブロンズとチタンの10色から選択が可能。デイト表示も3時位置または6時位置からレイアウトする場所を選択できる。

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 ケースは直径41mmのステンレススチール製。ステンレススチールケースはポリッシュ仕上げまたはDLCコーティングのいずれかを選択となり、ベルトもレザー、ステンレススチール、レザーとラバーのコンビネーションから選択となる。

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 ムーヴメントには改良したETA2892-2を搭載。 前面と背面にサファイアクリスタルが使用されており、シースルーバックからムーヴメントを観賞することが可能だ。 受注生産となっており、納期は約3カ月となっている。 公式ウェブサイトからメールで問い合わせすることで購入することが可能で、販売価格は4440ユーロから(約65万円から)。

【画像ギャラリー:ラヤマエン ケロテヘダス12Mのバリエーションをチェック】

 ラヤマエン ケロテヘダスは2023年4月現在、次回作であるラジャマーン・ケロテハス18Mの試作段階に入っており、今後の展開が楽しみである。


》ラヤマエン ケロテヘダス公式サイト
https://www.rajamaenkellotehdas.fi/en/


文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。

https://www.instagram.com/spherebranding/

 

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