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【くろのぴーす“W&W”スペシャルレポート】直接感じた時計業界の熱気、そしてレジェンドたちとの出会い

POWER Watch(パワーウオッチ)誌でコラム連載中のくろのぴーす氏が“ウォッチズ&ワンダーズ”に初参加。そこで実際に見て、感じた時計業界のいまや、楽しみ方などをまとめたレポートをお届けする。


一愛好家としての時計展示会巡り

私がプロデュースするクロノセオリーにリテーラー用のパスをいただいて、スイスのジュネーブで開催された“Watches & Wonders 2023”(以下W&W)と周辺の時計展示会に自費で行って参りました。
数年ぶりの開催ということで、W&Wは業界関係者だけではなく、一般客にも公開されるなど新たな試みも見られ、近年の情勢が反映されたような熱い空気感でした。

私は移動の関係上先にビエンヌを訪れて、2日目からの参加でパスの発行もスムーズでしたが、初日は会場に入るだけでも2時間かかったそうで、それだけ皆が久しぶりの大イベントに期待を寄せていたということでしょう。

各ブランドは、意匠を凝らしたブースを開設している。A.ランゲ&ゾーネでは新作のオデュッセウス・クロノグラフを拡大したオブジェが入り口に構える

 

買い手のひとりとしては、大手ブランドの新作を見られることもそうですが、何よりも作り手と直接出会って話せることが最高の楽しみでした。そんな夢の時間を、少しでも読者の皆様とも分かち合えれば幸いです。

主なイベントとしては、ジュネーブ中心部から車で15分ほど離れた展示会場Palexpoで行われたW&Wが最大であり、次いで“Time To Watches”が中規模の展示会でした。

Time To Watchesで展示されていたフランスの新鋭ブランドBeau Bleu。その後クロノセオリーで取り扱われ、日本でも大人気に

 

また市内中心部ではイベント会場のBarton7やBeau Rivage Geneveホテルにいくつかのブランドが集合しており、中でも最高に楽しめたのは独立時計師が集まるAHCI(独立時計師協会)の展示会場でした。

写真では見ることがあっても、なかなか実物には出合うことのない、ヴィアネイ・ハルターのディープ・スペース・トゥールビヨンやラ・レゾナンスも動く実機を味わえた

 

ちなみにW&W会場へは市内からシャトルバスも出ていましたが、せっかちな私はUberで往復していました。混雑具合にもよりますが、その場合の料金は繁忙期であるのもあり、片道で日本円にして7000円から1万円ほどかかってしまいます。

私はそれら各イベントに加え、各ブランドが独自に催す展示、ジュネーブに工房や本社を置くブランドなどを含め、1週間フルのハードスケジュールでまわって参りました。

 

一人ひとりが責任をもって1台を組み上げる超高級ブランド、グルーベル・フォルセイの工房。なんと、時計1本あたりに、ケース内の埃を除去する作業だけで4〜5時間を費やすという

 

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