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【昭和&平成の隠れた名作:Vol.13】IWCが誇る傑作モデル“マーク15”

パイロットウオッチの代表作として知られるIWCのマークシリーズ。現行モデルとは趣の異なる軍用らしい無骨さを残すポストヴィンテージの名作“マーク15”の魅力を改めて紹介。

1980年代の後半から90年代にかけて急速に需要を拡大していった高級機械式時計ブーム。工芸品的な価値の見直しにより機械式時計の再評価が進んでいったことは時計好きの間では広く知られているが、2000年代に入ると、その状況に少し変化が生じてくる。リシュモン、LVMHなどの莫大な資本を持つコングロマリットによる再編が進み、大規模な企業体の傘下となった時計ブランドは販売戦略上の理由から、製品哲学やコンセプトを徐々に変化させていったのだ。

IWCは2000年にリシュモングループの傘下に入り、後にラグジュアリー感を強めていくのだが、マーク15はリシュモン傘下に入る直前の1999年から06年まで製造されている。まさに過渡期のモデルといえるだろう。


■Ref. IW325302。SS(38mm径)。6気圧防水。自動巻き(Cal.37524)。参考商品

IWC(アイダブリューシー)
マーク15

マーク12と同じ11連ブレスレットに加え、トリチウム夜光を採用したマーク15の初期仕様モデル。ムーヴメントはETA社のCal.2892に改良を加えたCal.2892A2をベースに、IWCがさらにパーツの研磨や部品の改良など細部まで手を加えて製作したCal.37524を搭載。磁気の影響を受けやすいコックピット内での使用を想定し、軟鉄製インナーケースでムーヴメントを保護する構造により、40000A/mの耐磁性能を備えているのも大きな特徴だ。

【IWCの名作マーク15のディテールをもっと見る】


最大の特徴が、先端をカットしたバトン針やバーインデックスを十字形に配置した文字盤など、機能的でありつつ個性を備えたデザインだ。

これは1940年代後半に製造され、イギリス空軍やイギリス領の各国軍隊に納入された軍用時計“マーク11”をベースにしたもので、94年に登場するマーク12を経て、基本デザインを変えることなくマーク15に継承されている。

初期型モデルはマーク12で採用されていた11連ブレスレットを継承。小さなコマはそれぞれ削り出しで成形。丁寧なヘアライン仕上げを施し、エッジを残しつつ面取りをしているため、毛を噛むことなく快適な装着感を実現している。フィット感の良さはマーク15のなかでも断トツだ。

マーク15のなかでも三つのバリエーションが確認されており、初期型は夜光がトリチウムなのに加えて、マーク12から継承した11連ブレスレットを採用。小さなコマをひとつずつ成形、研磨した丁寧な作りと、極めて快適な装着感が魅力となっている。中期型からは夜光がルミノバに変更され、ブレスレットが表面をカーブさせた5連に変更。後期型では5連ブレスレットがフラットな形状になる。

2006年にマーク15は生産終了となり、後継機のマーク16へモデルチェンジするのだが、ケースが39㎜にサイズアップされるほか、リーフ針の採用などデザインが大幅に刷新されてしまう。そのため、マーク15は軍用として製造されたマーク11のテイストを継承する最後のモデルとして、生産終了から12年以上を経たいまも根強い人気を誇っている。


 

文◎Watch LIFE NEWS編集部

 

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