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【100%フランス製を実現した実力派時計ブランド】Apose(アポセ)に注目!

Apose(アポセ)は、ディディエ・フィンクとルドヴィク・ズッサにより2020年に設立されたフランス発、日本未上陸のマイクロウオッチブランドである。創設者のひとりであるフィンクは12年から20年までスウォッチ・グループの時計デザイン・マネージャーを務めた経歴をもつ。物理学者であるズッサはレーザー技術や時計製品イノベーションのスペシャリストで10年から12年までスウォッチ・グループで技術イノベーションを担当していた。


ズッサは一時離職し、2018年にスウォッチ・グループに復職した際にフィンクと出会った。 彼らはアポセを創設するにあたり、ハイエンドウオッチの純粋さに立ち返ること、フレンチスタイルを貫くこと、最後に自動巻き時計のフルコレクションをフランスで生産すること、という三つのコンセプトに重きを置いている。

アポセの時計はすべてフランス東部で製造されており、フランス人の特徴でもあるディテールにこだわったシンプルなデザインに、革新性が融合したスタイルが特徴となっており、彼らはそうしたアポセのスタイルを“フレンチ・エレガンス”と呼んでいる。
またムーブメントを含めた各種パーツを、フランスのメーカーと永続的なパートナーシップを構築して製造しているのも彼らの特徴だ。ここではその一部について記載するが、ケースとフランジはスイス国境から数キロ離れたドゥーの小さな村フランブーアンにあるUNDFが製造し、研磨などの処理はモルトーの近隣で 1960 年代に設立された Boillod Polissage が担当。ムーヴメントはぺキニエから供給を受けており、彼らいわく、 21 世紀初となる100%完全フランス製時計の製造を実現しているそうだ(創設当初はスイスのソプロドからムーヴメントの供給を受けており80%がフランス製)。

今回は、アポセの代表作、コレクション・ナンバー3(Collection n°3)を紹介する。


【コレクション・ナンバー3(Collection n°3)のバリエーションを見る】

コレクション・ナンバー3(Collection n°3)は、100%フランス製を実現したアポセの定番コレクションだ。エレガントさとモダンな雰囲気を両立したクッションケースはサイズが40mmで、316Lステンレススチール製。
ベゼル、ミドルケース、裏ブタが別体で製造されており、表面にブラッシュ仕上げ、ファセット面にポリッシュ仕上げを施したベゼルが、ケースの曲線と美しいコントラストを生み出している。

多層的な構造を採用した文字盤もクッションケースに負けない存在感を主張している。12個のインデックスはフランジから突き出るようにデザインされ、空中に浮かんでいるかのように文字盤の上で立体的な造形を際立たせる。

針はアポセ独自のデザインで、ミニマルな文字盤デザインのなかで時針と分針が存在感を主張する。シルバーコーティングを施した真鍮製の針は、ポリッシュ仕上げで夜光塗料が施されている。マット仕上げのスケルトン秒針は六角形のフォルムに切り抜かれている。リューズにはレーザーによるモノグラムが施され、側面部に120個のノッチを与えることで操作感を高めているそうだ。

ムーヴメントはペキニエ・オルロジュリーから供給を受けており、アポセ社により日差±2秒の精度に調整が施されている。パワーリザーブ65時間、毎時2万8800振動、タングステン製ローター、両方向巻上げとなっており実用性も高い。このモデルのレザーベルトはフランスの革製品メーカー、ロンシャンのもので、同社の高品質レザー製品の端材をアップサイクル。アポセは端材を最も純粋なフレンチスタイルでデザインされたエレガントなデザインに生まれ変わらせている。

風防は無反射コーティングを施したサファイアクリスタル製で100m防水を確保。 モデル・ナンバー3-100シリーズは2024年2月現在、さまざまなケース素材と文字盤カラーを展開していおり、販売価格は2950ユーロ(約46万7000円)だ。


》Apose(アポセ)
公式サイト
https://www.apose.fr/


文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。

https://www.instagram.com/spherebranding/

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