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【ミリタリー系手巻きが4万円台】第2次大戦時にA.ランゲ&ゾーネも作った同じ意匠の爆撃機用時計とは?|OUTLINEニュース no.146

アウトラインの新作「ミリタリーType1940」にはドイツ空軍の軍用時計をモチーフに秒表示を大きくしたデザインが採用された

本来、腕時計の場合は現在時刻を知るための道具として、時計の文字盤上には目印としてインデックスと呼ばれる“時”を表すための数字あるいはバーやドットといったマークが配されている。

そんなインデックスの中で最もわかりやすいのはダントツにアラビア数字の1から12を採用したものだ。ただ、アラビア数字でも1から12ではなく、ここに取り上げたアウトラインのミリタリーType1940のドイツ軍タイプのように、1から12の数字は小さく扱われ、その代わりに05から55までの数字が大きくデザインされた時計をごくまれに見かける。

有名なところで言えばパイロットウオッチをコンセプトに2016年登場したロレックス・エアキングも部分的とは言えそんなデザインのひとつと言えるのかもしれない。この仕様、現代においてはデザイン的な意味合いのほうが強いのだが、このデザインのルーツを辿るとそこにはちゃんとした理由が実はある。

左がA.ランゲ&ゾーネ、右がラコによって製造されたBウオッチ。高精度ムーヴメントはもちろん、視認性に優れたセンターセコンド、そして操作しやすい大きなリューズなど、軍規定の基に作られた(写真◎LowBEAT編集「軍用時計大全」より)

上の写真を見てほしい。これは第2次世界大戦時にドイツ空軍が使用した“Baumauster B”こと通称Bウオッチ(またはBウーレンとも呼ぶ)である。写真の左がドイツの高級時計メーカーとして有名なA.ランゲ&ゾーネ、右も同じくラコによって製造された当時の時計である。

すべて軍が規定したスペックシートに基づいて製造されたためメーカーが違えども、外装やデザインは同じ仕様に統一されていたことがわかる。ほかにもドイツのヴェンペ、ストーヴァに加えて、唯一スイスメーカーのIWCも製造を担っていた。

当時、空爆をする際には事前に偵察機によって目標地点を正確に把握する必要があった。ただ、夜間が多く暗闇のなかでも秒単位で正確な経過時間と進路を記録しなければならなかった。

つまり秒単位での計測を優先して見やすいように秒表示を大きくしたというわけだ。主にドイツ空軍の偵察機や爆撃機のナビゲーターが使用していたと言われるもので、実際にはケースは50mm径以上とかなり大きなものだった。

ここに取り上げたアウトラインのミリタリーType1940のひとつ、ドイツ軍タイプはそんな当時のデザインを生かしながら、秒針をセンターセコンドではなくスモールセコンド仕様にアレンジ。さらに近年トレンドカラーのひとつになっているスモーキーグリーンのグラデーション文字盤を採用した。

しかもサンレイ仕上げを施すことで、そのグリーンも光の加減で明るくなったり暗くなったりと微妙に変化することから派手さはまったく感じない。程よい色気があってファッションの差し色としても効果的だ。

しかも特筆は、自動巻きが主流の現在ではほとんど姿を消してしまった、手巻き式ムーヴメントで当時と同じ古典的な仕様にこだわっている点。加えて税込4万7300円と5万円を切る買いやすい価格なのも魅力となっている。

【アウトライン ミリタリーType1940】

・型番:(右) Ref.YK20231-60(ドイツ軍タイプ)、(左) Ref.YK20231-12(イギリス軍タイプ)
・素材:(ケース)316Lステンレススチール、(ベルト・日本製)牛革
・サイズ:ケース径38mm、ケース厚11.10mm
・防水性:5気圧防水(日常生活防水)
・駆動方式:手巻き(Cal.2705)
・機能:スモールセコンド
・価格:4万7300円(組み立て:日本)

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菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

>>>次ページで、爆撃部隊用の軍用時計を再現した5万円前後で買える3モデルを紹介

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