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【国産時計、オリエント】スイスの高級時計を思わせるデザインが魅力の1本

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


オリエント
グランプリ オリエント

どこかパテック フィリップのカラトラバを思わせるようなデザインが特徴的なこの時計は、日本の時計メーカーであるオリエントが1960年代に製造したグランプリ オリエントだ。
フラットなベゼルに砲弾型のインデックスの組み合わせは、明らかにスイスメーカーを意識した作りとなっており、繊細な筆記体のロゴや、鋭く磨かれた針、“orient”の刻印がなされたリューズからは高級機としての威厳が感じられる。

【商品情報】オリエント。グランプリ オリエント。SS(35mm径)。手巻き。1960年代製。23万1000円。取り扱い店/Watch CTI

【グランプリ オリエントを別アングルで見る

ムーヴメントには、グランプリ専用に特別調整を施した、同社のN型を搭載。輪列の軸受けに潤滑油の保持力を高める蓋石が採用されており、精度と耐久性を高める工夫も施されている。その影響もあり、手巻き式でありながら25石という石数を誇っているのだ。

また、金張りが好まれていた当時の国産高級時計としては珍しく、ケースにステンレススチールを採用し、さらに防水性までもたせていた。そのおかげか、この個体は文字盤のシミや腐食が少なく、ケースの形状もオリジナルを保っている。最低限の注意は必要だが、今日においてもケースの腐食やメッキ剥がれを気にすることなく、気軽に使用できるのはうれしいポイントだ。アンティークであるため、完全な防水性能は期待できないが、裏ブタ側にパッキンが入っているため、汗や水滴程度であれば防ぐことができるだろう。

デザイン面においては、海外メーカーのデザイン文法を取り入れることで、同年の国産時計とは一線を画すスタイリングになっている。1960年代のオリエントが、セイコーやシチズン、さらにはスイスの時計メーカーに対抗し、もてる技術の粋を集めた傑作と言える。
国産アンティークの高級機を探している方にはぜひチェックしてほしい1本だ。

 

【LowBEAT Marketplaceでオリエントの時計を探す

 

 

 

 

文◎LowBEAT編集部/画像◎Watch CTI

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