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ぜひ手に入れておきたいヴィンテージ [第2回]|サブマリーナー、Ref.5513|ロレックス通信 No.172

 サブマリーナーの第3世代に当たるRef.5513は、1962年から89年頃までと実に約27年もの長きにわたって製造が続けられた超ロングセラーである。つまり、それだけ完成度が高かったともいえるのだが、当然その間には細かいマイナーチェンジが施されているため、同じレファレンスであっても実勢価格が極端に違う場合があるなど若干複雑な面もある。

 ただ、当テーマの第1回で取り上げたエクスプローラーのRef.1016と同様に、いまでも現役で使える1500系の自動巻きムーヴメントを搭載し、ビギナーでも安心して使える実用アンティークの筆頭に挙げられるため、ぜひ手に入れておいて損はないロレックスの代表格だ。そこで今回は購入を考えるにあたって最低限知っておいてもらいたい見極めポイントについて大まかに触れたいと思う。

 5513は文字盤の仕様で表面に艶があるミラー文字盤、艶のないマット文字盤、そしてラッカー文字盤の大きく三つに大別される。製造時期も順に初期、中期、後期と別れる。このなかで初期のミラー文字盤については、第1回のエクスプローラー編でも触れたように、コレクターズアイテムとしてかなり高額となるためあまり現実的ではない。

 そのため中期のマット文字盤とラッカー文字盤が対象となるのだが、後期にあたるラッカー文字盤については同連載の150回「価格をとるか、雰囲気か? サブマリーナー、Ref.5513の悩ましき選択」で紹介しているためそちらを読んでもらうとして、ここでは中期のマット文字盤について取り上げる。

 なお、三つの文字盤の仕様違いに加えて、知っておいてもらいたい点がもうひとつある。それはドット形インデックスの仕様についてだ。端的に言うとメタルのフチがあるかどうかである。

上がマット文字盤のフチ無しで、下がラッカー文字盤のメタルのフチあり。見た目の雰囲気はかなり違う

ミラーとマット文字盤はフチ無し。ラッカー文字盤はフチありと、古典的な前者に対して後者はだいぶモダンとなるなど見た目の雰囲気はだいぶ違う。同時に実勢価格の相場も変わってくるためまずはどちらにするかを自分のなかで決めておくと、さらに絞り込みやすいうえに後々の決断もしやすくなる。両者を実機で事前にチェックすることをおすすめしたい。

 さて、初期のミラー文字盤から艶のないマット文字盤に変更されたのは66から67年頃(異説あり)と言われている。それから85年頃までと約18年もの長い間生産された。

 そのため比較的に個体数も多く探しやすい。加えて実勢価格は100万円台後半ぐらいから程度のいい個体が手に入るため、第1回のエクスプローラーに比べたら、だいぶ狙いやすいかもしれない。しかし、18年もの間に当然いくつかの仕様変更が行われているため、購入にあたっては以下に挙げたレアポイントを把握しておく必要があるのだ。

 ただ、近年はコレクターの間でかなり研究が進み、書体の違いなど細かな仕様違いが発見されているためかなり複雑となってきている。そこでここでは大きな違いとして一般的に知られているマークⅠからマークⅤまでの5大レアポイントについて、筆者が刊行するアンティーク時計の専門誌「ロービート(LowBEAT)」No.18で取り上げた記事「サブマリーナー5513大研究」より引用して以下に紹介する。

最低限知っておきたいレアポイントとは

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