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【10万円台前半で購入できるオリジナルモデルにも注目!】1960年代に製造されたキングセイコーの手巻きモデルをクローズアップ

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


セイコー
キングセイコー

今回紹介するのは、1960年代にセイコーが製造したキングセイコーの手巻きモデルだ。本モデルは亀戸に工場を構えた第二精工舎が製造した個体であり、搭載されるCal.44系ムーヴメントにちなみ、愛好家の間では“44KS”としても親しまれている。

力強さを感じさせる太く角ばったラグに、ボックス型のプラ風防を採用した非常にマッシブなケース造形が特徴的で、それまでの国産時計とは一線を画した、大胆なデザインが取り入れられている。リューズにも特殊な形状のものが採用されており、大振りな刻みが入った専用品が装備されている点にも注目だ。

さらに、ケースの裏ブタには金色の盾のメダリオンがはめ込まれており、高級機らしい荘厳な雰囲気をただよわせる。なお、ファーストモデルではスナップ式の裏ブタが採用されていたが、後継モデルである本シリーズではスクリューバック式に変更され、気密性を高めている。

【写真の時計】セイコー キングセイコー。Ref.44999。SS(36.5mm径)。手巻き(Cal.44)。1960年代製。12万8000円。取り扱い店/WTIMES

【画像:ケースの状態や裏ブタのメダリオンを見る(全5枚)

 

ムーヴメントには自社製のCal.44を搭載。毎時1万8000振動のロービート機でありながらも高精度を実現したムーヴメントであり、後にクロノメーター仕様も登場するほどのポテンシャルを秘めていたのだ。このほかにも、市販されることはなかったが、高振動化の開発ベース機に選定され、セイコー社内で実験的な改良が施された個体も残されているそうだ。

このCal.44は、第二精工舎が初めて設計を行った男性用の手巻き中3針“クロノス”をベースとしており、両持ちのテンプ受けや曲線を基調としたブリッジ分割など、随所にその面影を見ることができる。

全体のコンディションに注目すると、文字盤は外周部にわずかな変色が見られるものの、それ以外に塗装の剥がれやキズなどは見られない。ケースも、使用に伴うエッジのダレがやや確認できるが、大きな打痕やベゼルの割れなどは見られない状態だ。

ここ数年、復刻モデルが数多く登場しているキングセイコーだが、アンティークのオリジナルモデルも依然として手に入れやすい状況にある。特に、44KSに限定しなければ、キングセイコーには豊富なバリエーションが存在するため、アンティークを初めて購入するという人にとっても魅力的な選択肢と言えるだろう。しかし、良好なコンディションの個体は徐々に減少しており、市場価格も上昇傾向にある。アンティークのキングセイコーに関心がある人は、早めのチェックをおすすめしたい。

 

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文◎LowBEAT編集部/画像◎WTIMES

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