近年ますます数を増やしている、性別を問わず着用できるデザインやサイズ感の腕時計。実際に、明確なメンズ・レディースの区分を設けずユニセックスに展開する手法は高級時計界のトレンドのひとつとなっており、カジュアルウオッチ界にも波及している。
今回は人気ショップへ取材を敢行し、最新事情を交えながらジェンダーレス化が進む時計業界のいまを紐解いていく。
【写真】ユニセックスなデザイン・サイズ感の売れ筋＆注目モデルまとめ
前述のとおり、ジェンダーレス概念の広がりとともに、明確に男性用・女性用と区別しないアイテムが増えている近年。時計業界においてもその潮流は年々高まっており、かつてよりもユニセックスなモデルが増加している。
そのようなモデルは、果たして本当に人気を獲得しているのだろうか。そんな疑問を晴らすべく、北欧系のミニマルデザインの時計を中心に数多くのアイテムを取り扱うショップ、NORDIC FEELING（ノルディックフィーリング）を展開する日本総輸入代理店・マーサインターナショナルに最新情報を伺った。
●NORDIC FEELING（ノルディックフィーリング）とは？
2010年に誕生した日本初の北欧ウオッチ＆ジュエリーのセレクトショップ。“優れたデザインプロダクトを通じて北欧のファッション文化を日本へ伝える”をコンセプトに、機能美とミニマルなデザインが特徴のアイテムを展開している。
Q. 「ジェンダーレス概念の広まりもあり、近年はメンズ/レディースを限定しないユニセックスモデルが増加している印象を受けますが、貴店でお取り扱いブランドの時計でもその実感はございますか？」
A. 『はい、実感はございます。近年は特に、弊社側がレディースモデルだと思ってレディースの着用イメージしかホームページなどに掲載していなかったアイテムを、男性が好んでお買い求めになる傾向が増えています。そのため、明らかにレディースサイズの華奢な時計以外は、基本的にはレディース・ユニセックスモデル、メンズの場合は メンズ・ユニセックスモデルとして打ち出し、着用イメージも女性・男性両方を起用するといった形にしております』（マーサインターナショナル・相羽氏）
また、レディース寄りのモデルを購入する男性が増えている一方で、メンズサイズを好む女性も増えている実感があるそうで、ペアウオッチの選び方も多様化している（※ペアウオッチについては、来週の記事で取り上げる）。
北欧時計ブランドを代表するBERING（ベーリング）の人気モデル“クラシックスモールセコンド”。性別問わないデザインで、ペアウオッチにも最適だ
『ペアウオッチを選ぶ際には、メンズ・レディースサイズで選ばれるのではなく、中間の36mmサイズを二つお買い求めになるといったお客様も多い印象です。メンズサイズを好まれる女性に加え、小振りなサイズを愛用される男性も増えてきた実感があるため、性別問わず36mm前後の時計は人気があります』
次ページでは、そんな近年人気を高めつつあるユニセックスなデザイン・サイズ感が特徴の売れ筋モデルを紹介している。合わせてチェックしてみてほしい。
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文◎市村 信太郎
音楽・教育業界を経て2023年より編集者としてのキャリアをスタート。時計やメイク、ファッションなどあらゆるものをジェンダーレスに楽しむ。レディース・メンズの垣根を超えた自由なスタイルを体現し、その魅力を発信するべく奮闘中。
