アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
ロレックス
エクスプローラー Ref.1016
今回紹介するのは、1987年~88年頃に製造されたロレックスのエクスプローラーRef.1016だ。
長年にわたって支持されてきたエクスプローラーの中でも、本個体はサードモデルに該当し、約25年間もの間生産されていたロングセラーモデルである。歴代モデルからのデザインはそのままに、各所の品質を向上させて生産を続けた一貫性のある製品コンセプトが魅力とも言えるだろう。
エクスプローラーの名が示すとおり、過酷な冒険にも耐えうる性能を目指して開発されたモデルであるため、高級時計らしい仕上げや美しさは感じられないかもしれない。だが、その実用性に特化したスポーツウオッチとしての完成度の高さこそがエクスプローラーの真髄であり、最大の魅力でもあるのだ。
また、60年代のモデルからデザインが大きく変更されていないため適度なアンティーク感が楽しめつつも、80年代後半に製造された高年式のモデルである点も、アンティークウオッチに不安を抱える人にとっても安心できるポイントだ。

【写真の時計】ロレックス エクスプローラー。Ref.1016。SS(36mm径)。自動巻き(Cal.1570)。1980年代製。299万8950円。取り扱い店/かめ吉
12時位置の三角マーカーと、3、6、9時位置にアラビアインデックスを配した文字盤デザインが特徴的で、後に続くモデルにも採用されたマット仕上げの文字盤がスポーツウオッチらしい力強さを感じさせる。文字盤のコンディションに注目すると、5時位置周辺にわずかな変色が見られるものの、時計全体を見た際にはほとんど目立たない。夜光塗料の変色や剥がれ、欠けも見られず、良好な状態を維持している。
ムーヴメントには、20年以上製造された実績のあるCal.1570を搭載しており、本個体では後年のハック機能を備えたものが採用されている。毎時1万9800振動のロービート機でありながらも、大型化されたテンプとその外周に取り付けられたマイクロステラスクリューによるフリースプラング方式を採用することで、精度の高いクロノメーター仕様として仕上げられた非常に完成度の高いロレックスの名機だ。自動巻きの巻き上げ効率についても非常に優れており、適切な整備を行えば現代においても十分な性能を発揮するだろう。
ブレスレットについては、ステンレススチール製の無垢材のコマで構成されたオイスターブレスレットを装着しており、現状でも安心して使用できるコンディションだ。また、本個体のブレスレットはケースとともに適度な研磨仕上げが施されているため、年式の割に使用感を感じない状態を維持している。
現在では価格が高騰してしまい、安易におすすめしにくくなってしまったエクスプローラーだが、アンティークロレックスのスポーツモデルを狙う際にはぜひ候補に入れてほしい1本だ。
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文◎LowBEAT編集部/画像◎かめ吉

