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【まるで宇宙船のようなケース形状と文字盤デザイン⁈】パイロット向けに開発されたオメガの手巻きクロノグラフ“フライトマスター”とは

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


オメガ
フライトマスター

今回取り上げるのは、1970年代頃に製造されたオメガのフライトマスターだ。
クロノグラフやGMT、インナーベゼルなどの多彩な機能を、宇宙船やUFOを思わせるような形状の、放射状のヘアライン仕上げが施された重厚なケースに納めた、非常にアイコニックなデザインの逸品である。

オメガといえばNASAに採用され、ムーンウォッチとして名を馳せたスピードマスターが有名だが、このフライトマスターもまた、ソ連の宇宙飛行士によって使用された実績をもつモデルなのだ。

文字盤上のサブダイアルには、3時・6時・9時位置へそれぞれ30分積算計、12時間積算計、スモールセコンドを配している。スモールセコンド以外の積算計の針をオレンジ色にすることで、計測時間の判読性を高めている点が特徴的だ。また、時分針と同軸に取り付けられた針はGMT機能を有しており、10時位置のリューズで針を操作することで、任意の第2時間帯を表示することが可能となっている。さらに、8時位置のリューズではケース内に収められたインナーベゼルを操作することが可能だ。

【写真の時計】オメガ フライトマスター。SS(43mm径)。手巻き(Cal.911)。1970年代製。74万8000円。取り扱い店/喜久屋商事 時計部

【画像:夜光塗料が埋め込まれたアプライトインデックスや自動巻きムーヴメントの状態を見る(全6枚)

今回取り上げた個体は、フライトマスターの2代目に該当するモデルで、初代では9時位置のインダイアルが24時間表示であったのに対し、2代目である本個体では9時位置のインダイアルがスモールセコンドへと変更されている。

全体のコンディションに注目すると、使用に伴う小キズや打痕が見られるものの、オリジナルのヘアライン仕上げやケースのエッジがしっかりと残っている。文字盤や針の状態も良好で、目立ったダメージや腐食は見られない。10時位置に配されたGMT操作用のリューズが、オリジナルに見られるブルーのドットではなく、オメガのロゴ入りのものに交換されている点は要チェックだ。それ以外のリューズはオリジナルのようで、クロノグラフの赤と黄色のツートンのプッシャーも、塗装の剥がれが見られるものの、しっかりと残されている。

ムーヴメントには、レマニアが設計を手掛けた手巻きクロノグラフの名機“Cal.861”をベースに、各種機能を追加したCal.911を搭載。本ムーヴメントは、カム式クロノグラフの弱点とされる衝撃による針ズレを抑制するため、ブレーキレバーを備えた設計を採用している。基本性能は非常に優れているものの、機能追加に伴う部品点数の増加により整備箇所も多くなるため、故障時の整備費用が高額となる可能性や、修理可能な技術者を探すハードルが高い点には留意しておきたい。

もっとも、クロノグラフ機構を多用せず時計として使用する分には大きな負荷はかかりにくいため、定期的なオーバーホールを行い、高温多湿な環境での使用を避ければ、大きなトラブルは防げるはずだ。特にフライトマスターはリューズやプッシャーなどの水の入りやすい可動部分が多く、パッキンの劣化によって水分がケース内に侵入する可能性が高まっている。そのため、水気や湿気には特に注意して扱うことを推奨する。

宇宙や航空など、空で活躍するプロフェッショナル向けに誕生したフライトマスター。コックピットの計器類を思わせるロマンの詰まった時計に、ぜひ注目してみてほしい。

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文◎LowBEAT編集部/画像◎喜久屋商事 時計部

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