アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
オメガ
スクエアケース
今回取り上げるのは、1930年代頃に製造されたオメガの手巻きスクエア時計だ。
磨きたてのカッパーを思わせるサーモンピンクの文字盤を採用した、スクエア形ケースが個性的な1本だ。具体的なモデル名やシリーズ名が与えられていない時代の個体だが、アイコニックな意匠の数々からは、当時らしいアールデコデザインの流行を感じ取ることができる。
ケース側面やラグの多面的なカットなど、各所の平滑面がしっかりと際立つケース造形も魅力。さらに、表面張力でケースの隅まで満たされた水のようにふくらみを持たせた風防や、縦方向の筋目仕上げが施された文字盤、繊細なアラビア数字のフォントなど、均整の取れたディテールの作り込みも見どころだ。
本個体のケース素材には、“ステイブライト”と呼ばれるステンレススチールを採用。当時としては耐食性や光沢感に優れた高品質なステンレス素材として知られ、深みのある独特の質感を備えている。

【写真の時計】オメガ スクエアケース。SS(25×33mmサイズ)。手巻き(Cal.23.4SC)。1930年代製。53万9000円。取り扱い店/プライベートアイズ
【画像:サーモンピンクの文字盤や手巻きのムーヴメントの状態を見る(全6枚)】
ムーヴメントには、手巻きのCal.23.4SCを搭載。オメガ初期のセンターセコンドムーヴメントとして知られるキャリバーで、スモールセコンドをベースにセンターセコンド化した構造を採用している。年代的に耐震装置こそ備えていないものの、各部のパーツに厚みを持たせた堅牢な設計が特徴だ。
全体のコンディションに注目すると、文字盤には目立った変色もなく、ケースは小キズこそあるものの、過度なポリッシュによるエッジのダレも見られない。風防は研磨によって角が落ちているように見えるものの、クラックや目立ったキズは見られず、非常に良好な状態を維持している。
注意点として、本個体は防水機能を備えない非防水ケースを採用しているため、高温多湿な環境や、水気・汗を伴う環境での使用は極力避けたい。ムーヴメントや文字盤のコンディション維持という観点からも、近頃の汗ばむ陽気や、これから迎える梅雨時期での着用には注意が必要だろう。
また近年では、アンティーク時計店などから、裏ブタ側に取り付ける汗対策用のレザー台座なども販売されている。水気への最低限の配慮は必要だが、そういったアイテムを活用しながら、時計本体を汗から保護しつつコーディネイトを楽しむのも良いのではないだろうか。
各所に見られる繊細なディテールの作り込みが魅力的な、オメガのスクエアケース手巻きモデル。ぜひ注目してみてほしい。
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文◎LowBEAT編集部/画像◎プライベートアイズ
