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【ハイビートはゼニスやセイコーだけじゃない!】1960年代に毎時3万6000振動を実現したロンジンのウルトラクロンとは

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


ロンジン
ウルトラクロン

今回取り上げるのは、1960年代に製造されたロンジンのウルトラクロンだ。

2025年には毎時3万6000振動のムーヴメントを搭載した復刻モデルが登場するなど、同社を代表するヘリテージモデルとしても注目を集めるモデルだ。

機械式腕時計の高精度を実現するため、ハイビート化による開発競争が盛んであった60年代中ごろ。市販品では1966年頃登場のジラール・ペルゴのジャイロマティックHFや、67に登場したセイコー ロードマーベル 36000などが毎時3万6000振動を実現していた。これらの製品に並び、67年に量産型としては最初期にして最大規模で製造された毎時3万6000振動の高精度機として登場したのが、今回取り上げたロンジンのウルトラクロンなのだ。

ラグ部分が切り落とされたような形状となったクッションケースと、純正のメッシュブレスレットの組み合わせが60年代後半の流行を感じさせるデザインだ。ややクセのある外装だが、ほんのり焼けたホワイト文字盤やシンプルなバーインデックスとバトン針がオーソドックスな雰囲気を演出している。

インデックスのみならず、ブランドを象徴する翼の生えた砂時計のロゴや、6時位置に配されたハイビートの波形を表すようなウルトラクロンのロゴがアプライドとなっており、高級機としての威厳を感じさせる顔立ちだ。ブレスレットのバックル部分に刻印されたロゴの存在感も逃がせない。

【写真の時計】ロンジン ウルトラクロン。SS(37mm径)。自動巻き(Cal.431)。1960年代製。16万2800円。取り扱い店/時計の玄人

【画像:稲妻のようなロゴが刻まれた裏ブタや純正ブレスレットの状態を見る(全6枚)

ムーヴメントには、先にも述べた通り毎時3万6000振動のハイビートを誇るCal.431を搭載。製造当時は月差1分以内の精度を保証していたとされている。

潤滑材の性能が現在ほど進化していなかった60年代当時では、一部の専用品を除き、ハイビートの高速で駆動する部品においては潤滑油が飛散してしまうという問題点があった。そこでロンジンは、二硫化モリブデンを用いた乾式潤滑材を使用することで、中長期的な潤滑性能を維持していたのだ。もっとも、この潤滑剤は長期間放置されると硬化して、金属粉と混ざってスラッジが発生し、さらに摩耗が進んでしまう場合もあったのだ。

こういった点から、後年に耐久性のバランスも考慮された毎時2万8800振動のCal.6651が登場する。

長年にわたって使用されたウルトラクロンでは脱進機周りに摩耗が生じ、性能を発揮できないケースも存在する。そのため、購入時にはしっかりと整備された個体を購入することを推奨する。現代の進化した合成潤滑油ではハイビート機に向いた専用品も存在するため、定期的な整備を行いながら使用することをおすすめしたい。

現在のブランディング方針や日本市場での知名度の低さからか、ヴィンテージの分野においてもあまり注目されることのないロンジン。特にウルトラクロンに関しては、精度にパラメータを振った性能ゆえに、決して万人にはおすすめできないものの、ロマンの詰まったピーキーなヴィンテージウオッチを求める愛好家にはぜひ注目してほしい逸品と言える。

 

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文◎LowBEAT編集部/画像◎時計の玄人

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