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1965年製グランドセイコーに刻印された企業名とその想い。まさに昭和らしいヴィンテージならではの味わい|菊地吉正の時計考

勤続25周年記念として東芝商事の社員に送られた1965年製のグランドセイコー セルフデーター

1960年の初代登場からわずか4年。グランドセイコーは1964年に第2世代のセルフデーターへと進化を遂げる。裏ブタはスクリューバック仕様により防水ケースとなり、外装もそれまでの真鍮に14金の薄い層を貼り合わせた金張りケースからステンレススチールケースに変更された。

ムーヴメントもカレンダー機能が追加されて実用性が上がったと同時に、パーツの摩耗を軽減する受け石も25から35石に増やされるなど耐久性も向上している。当時のグランドセイコーを狙うならまずは第2世代からがオススメと言われるゆえんだ。

んなグランドセイコー第2世代の通称57GSことセルフデーター。ここに取り上げた個体の裏ブタには「東芝商事株式会社 二十五年勤続表彰記念 1965年」の刻印が施されている。

かつての東芝は社員に25周年の勤続記念として腕時計を贈っており、セルフデーターにその刻印が入った個体が存在することは愛好家にはよく知られている。なかでも東京芝浦電気名義が一番多く、ほかには東芝電器産業など東芝関連会社名のバリエーションも存在する。

勤続表彰に時計を贈る風習は海外にも見られるが、企業の歴史と個人の足跡が刻まれた腕時計は「ともに時を刻む」という意味において、まさに唯一無二の贈答品なのだろう。ちなみに、東芝名のこうした刻印入りが確認できるのは1965年以降の個体からで、それ以前はオメガの手巻きモデルが贈呈されていたようだ。

【画像】東芝の刻印ほかセルフデーターの写真をチェック!

グランドセイコー セルフデーター
東芝商事勤続記念。Ref.5722-9970。SS(36mm径)。手巻き(Cal.5722)。1965年製。38万5000円。掲載証明書付き
協力◎JAPAN VINTAGE WATCH SHOP/https://lowbeat.jp/jvw-shop/

菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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