アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
オメガ
シーマスター 300
今回取り上げるのは、1960年代に製造されたオメガのシーマスター300の第3世代モデルだ。
1957年にオメガ初の本格ダイバーズウオッチとして発表されたシーマスター300。通常のシーマスターから派生し、本格的な潜水に使用することを視野に入れて設計されたファーストモデルの誕生以来、プロフェッショナル・ダイバーズとして進化を続けてきたシリーズだ。特に、回転ベゼルの意匠が特徴的なファーストモデルは、いまなお世界中のコレクターの注目を集め、現在のオメガからも復刻モデルが発売されるほどの人気を誇る。
本個体は1965年から登場した第3世代モデルで、この世代からデザインが一新され、回転ベゼルやケースの形状が大幅に変更された。スピードマスター 4thと同様のツイストラグデザインで、リューズガードが一体化した左右非対称のケースや、ベークライト製のインサートが嵌め込まれた平面的なベゼルなど、この時代ならではのデザイン性と機能性を備えている。また、ねじ込み式のリューズが採用されている点も本モデルの特徴だ。

【写真の時計】オメガ シーマスター300。Ref.166.024。SS(42mm径)。自動巻き(Cal.565)。1960年代製。154万円。取り扱い店/プライベートアイズ
【画像:ツイストラグのケースや銅色メッキによる仕上げの自動巻きムーヴメントを見る(全6枚)】
太いローレット加工が施された回転ベゼルや、夜光塗料が盛られたインデックス、そして力強いソードハンドの組み合わせは、暗所や水中における圧倒的な視認性を確保するために計算し尽くされた機能美の結実と言えるだろう。
ムーヴメントには、黄金期とも呼べる60年代のオメガを代表する自動巻きの“Cal.565”を搭載。同年代のモデルに数多く採用されたムーヴメントであり、毎時1万9800振動のロービートながら、安定した精度を実現していた。適切な整備を行えば、現在でも十分な性能を発揮してくれるはずだ。安定感のある性能と高い耐久性を備えたこのムーヴメントは、ヴィンテージ初心者から玄人まで、幅広い層におすすめできる。ただし、潤滑油が切れた状態で使用を続けると、自動巻きローターやその周辺機構が摩耗・破損する恐れがあるため、定期的なオーバーホールを推奨したい。
また、ブレスレットは社外品であるものの、オリジナルに近い作りのものが装着されており、全体の雰囲気に見事に溶け込んでいる。純正バックルを使用してカスタマイズされている点からも、前オーナーのこだわりと愛着が覗く。
ダイバーズウオッチらしさにあふれたマッシブさと、エレガントなケース意匠が高次元で融合したシーマスター300。その非対称ケースのシルエットや視認性を極めたデザインは、現行の“シーマスター ダイバー300m”や“シーマスター300 ヘリテージ”へと色濃く受け継がれており、時代を超えて普遍的な価値を放ち続けている。現行モデルでは味わえない、武骨で荒々しい造形が魅力的なシーマスター300にぜひ注目してみてほしい。
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文◎LowBEAT編集部/画像◎プライベートアイズ

