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[後編]よく聞くヴィンテージ時計って何よ! ロレックスだけの独自基準とは?|菊地吉正の【ロレックス通信 No.305】

1960年から89年まで製造されたエクスプローラー、Ref.1016(写真◎水橋崇之/LowBEAT編集部)

先週お届けした筆者の連載コラムでは『【よく聞くヴィンテージ時計ってそもそも何?】アンティーク時計とどこが違うのかを整理してみた|菊地吉正の時計考_017』(関連記事にリンクあり)と題して“ヴィンテージ”と“アンティーク”の違いについて注目した。

おそらくは近年のレトロブームの影響からなのだろう。やたらとヴィンテージという表現があふれているため、あくまでも日本の時計市場の場合に限ったことなのだが、筆者が刊行するアンティーク時計の専門雑誌「ロービート(LowBEAT)」の編集方針を例にしてその違いについて解説させていただいた。

ただ、前回も触れたように、ロレックスだけは年代だけでは線引きが難しい。そのため独自に基準を設けており今回はそれについて触れたい。

そもそも時計市場ではかなり前からヴィンテージではなくどちらかというとアンティークという表現が主流だ。理由は前回のコラムを参照いただくとしてここでは割愛するが、日本市場では「1960年代以前に製造された個体」と定義している。実のところこれはロレックス以外のブランドが対象で、ロレックスだけは独自に設定されているため当てはまらない。

いまや最高峰の高性能さを誇るロレックス。その優れた自動巻きムーヴメントは1957年から60年代にかけてその基本形が完成した。それが1500系と呼ばれる自動巻きムーヴメントなのである。

これがとても優秀で搭載したモデルはすべてがロングセラーだった。なかには1960年代から何と80年代後半まで生産が続けられたコレクションさえあるぐらいだ。つまりロレックスは、スイスのほとんどの時計ブランドが存亡の危機にあった1970年代以降も一度も途切れることなく継続して製造が続けられていたため60年代で区切るのが難しかった背景がある。

そのためロレックスに限ってはたとえ80年代に作られた個体であっても、この1500系自動巻きムーヴメントが搭載されたレファレンス(型番)であればアンティーク時計と定義したのである。

【画像】人気9機種の1500系自動巻きムーヴメント搭載モデルをチェック!

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菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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