アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
オメガ
スヴェラン
今回紹介するのは、第2次世界大戦期である1940年代頃に製造された、オメガのSUVERAN(スヴェラン)だ。
スヴェランは、スウェーデン専売用のモデルであるとされており、裏ブタに“SUVERAN”の文字が刻印されている。軍用スペックに準じた性能をもつスポーツモデルである点が、本シリーズの特徴であるとされている。
SS製のスクリューバックケースや、耐震装置を備えたムーヴメントからも、その堅牢さが伝わってくるだろう。

【写真の時計】オメガ スヴェラン。Ref.2400-7。SS(35mm径)。手巻き(Cal.30T2PC)。1940年代製。36万8000円。取り扱い店/WatchTender銀座
【画像:裏ブタ刻印や大型のムーヴメントの状態を見る(全8枚)】
ムーヴメントには、アンティーク・オメガを語るうえで欠かせない存在である手巻きの30mmキャリバーを搭載。そのなかでも、堅牢な性能を求めるスウェーデン政府の要請に応じ、耐震装置を備えた Cal.30T2 PCを搭載している点が特徴的だ。
35mm径のケースにぎっしりと詰め込まれたムーヴメントは、マニアにとって見逃せない要素のひとつと言えるだろう。高精度を実現するために欠かせない、大径のテンプと、ゼンマイを納める香箱車が生み出す心地よい駆動音は、この時計の魅力をさらに引き立てている。
文字盤はブラックグレーから褪せ、現在ではゴーストダイアルと呼ぶにふさわしい風合いへと経年変化を遂げている。まるで庭園の庭石を思わせるような質感が味わい深い。文字盤上の夜光塗料は変色し黒ずんではいるものの、しっかりと残っている。時分針の夜光はオレンジ色に焼け、崩れ落ちることなく現存している。スモールセコンドを備えた6時位置以外の偶数インデックスには、シンプルな書体のローマンインデックスが採用されている。
現状では社外品のブレスレットが装着されているが、ミリタリーテイストの引き通しベルトやバンブーブレスレット、あるいはシンプルなレザーベルトなどと組み合わせて、さまざまなコーディネイトを楽しむことができるだろう。
誕生した時代背景とその証がしっかりと刻まれた、歴史を感じさせる本個体は、アンティーク時計愛好家であればぜひ手に取ってみたい1本だ。
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文◎LowBEAT編集部/画像◎WatchTender銀座
