アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
ロレックス
デイトジャスト Ref.16013
今回紹介するのは、1984年頃に製造されたロレックスのデイトジャストRef.16013だ。
アンティークと呼ぶにはやや新しい年式の時計だが、プラスチック風防や36mm径の小振りなサイズ感など、アンティークらしい特徴を兼ね備えたデザインが魅力となっている。
本個体は“バックリーダイアル”と呼ばれるローマ数字がブリントされた白文字盤が特徴的で、ほかのデイトジャストとは異なる、クラシックですっきりとした顔立ちだ。この文字盤は世界的に有名な時計コレクターであるジョン・バックリー氏に由来するとされており、時計愛好家からの人気を集める希少なモデル。インデックスに合わせて針も黒色になっている点が特徴的で、白の文字盤と組み合わさることで非常に高い視認性を誇っている。

【写真の時計】ロレックス デイトジャスト。Ref.16013。SS×YG(36mm径)。自動巻き(Cal.3035)。1980年代製。117万7000円。取り扱い店/サテンドール
コンビカラーの外装はケースシェイプを崩さない程度の研磨が施されており、裏ブタに小キズが見られる程度で大きなキズや打痕は見られない。フルーテッドベゼルとコンビカラーのラグジュアリーさを感じさせる組み合わせにも思えるが、ホワイトローマンの文字盤によって引き締まった印象にまとめられている。
ムーヴメントには、従来のロービート機から一転し、毎時2万8800振動のハイビート機であるCal.3035を搭載。日付けの早送りも可能となり、実用性が大きく向上している。精度と利便性が高められた一方で、日送り禁止時間帯でのカレンダー操作や、負荷のかかるハイビート機構において潤滑油が乾いた状態で使用を続けると、故障や不具合を引き起こす可能性がある。そのため、定期的なオーバーホールと適切な操作を心掛ける必要がある。
今回紹介したCal.3035に限らず、ロレックスのムーヴメントは長年にわたって動作する信頼性を備えるものの、油切れやそれに伴う摩耗が起きても問題なく稼働してしまう場合が多いため、1日に1分以上の遅れが生じた場合や、時計を振った際にローターの動作音とは異なる金属音や異音が聞こえた場合、リューズ操作時に引っかかりや重さを感じた場合は早期のメンテナンスを推奨する。
36mm径というコンパクトサイズでありながらも、確かな存在感と上品さを兼ね備えたバックリーダイアルのデイトジャストに注目だ。
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文◎LowBEAT編集部/画像◎サテンドール
