国内外から様々な時計ブランドが上陸を果たしている日本の時計市場。現在はAIを使ってどんなブランドが日本で購入できるのか、どんなデザインがトレンドになっているのか、手軽に情報を検索することが可能になっているが、その一方で、情報の信憑性がユーザーにとってストレスになっているのも事実だろう。
そこで、今回は2025年に発売されている時計のなかから、10万円台まで価格帯で狙い目のモデルを編集部が厳選してみた。着け心地やパーツのクオリティ、見やすさなどをチェックし、これぞと太鼓判を押せる秀作を選び抜いたので、時計選びの参考にして欲しい。
【画像】予算10万円台まで、編集部おすすめ“ご褒美時計”5モデルを見比べる
【編集部のおすすめモデル01】

■Ref. H69509130。SS(40mm径)。10気圧防水。手巻き(Cal.H-23)。14万9600円
HAMILTON(ハミルトン)
カーキフィールド メカ パワーリザーブ
1940年代にアメリカ軍に時計を供給していたサプライヤーとしての歴史が息づく、ハミルトンの代名詞的モデル“カーキ フィールド”。本作は、“カーキ フィールド”のクラシックなフォルムを受け継ぎながら、ブランド初のパワーリザーブ表示を搭載した新規軸だ。

9時位置に配された赤いパワーリザーブインジケーターはFが満タン、Eで空を示し、最大80時間の標準持続時間を直感的に把握できる。ムーヴメントは、ETA社が本作のために新たに開発した手巻きキャリバー“H-23”を搭載。80時間パワーリザーブを備え、巻き過ぎによる負荷を抑えつつ、システムが自動で再同期する仕様も特徴となっている。
ケースは直径40mm。ステンレススチールの表面にサンドブラスト加工を施しており、軍用時計を原点とする“カーキ フィールド”らしい、タフさを感じさせる仕上がりも魅力的だ。
【画像4枚】仕様違いで2機種展開、“カーキフィールド メカ パワーリザーブ”のデザインを見比べる
【問い合わせ先】
ハミルトン/スウォッチ グループ ジャパン
TEL.03-6254-7371
【編集部のおすすめモデル02】

■Ref.KT102。SS(38mm径)。100m防水。自動巻き(Miyota Cal.9039)。9万2400円
KIWAME TOKYO ASAKUSA(キワメトウキョウ アサクサ)
IWAO SUMI(墨)
2025年9月に東京・浅草で誕生した国産マイクロブランド“KIWAME TOKYO ASAKUSA(キワメトウキョウ アサクサ)”の最新作。伝統的なフィールドウオッチをベースとしつつ、日本的な美意識を感じさせる、現代的で洗練された意匠が魅力だ。
写真の“IWAO SUMI(墨)”は、深いダークトーンの文字盤で引き締まった印象を纏わせたモデル。文字盤中央には、岩肌(いわはだ)のような荒々しいテクスチャーを施し、自然石の持つ立体的な質感と存在感を映し出す。この“岩の表情”こそがシリーズ名“巌(いわお)”の由来であり、デザインコンセプトの核となっている。
ケースがステンレススチール製で、サイズは直径38mm、厚さは9.5mm、ラグ・トゥ・ラグ(ラグの先端までの上下幅)は46mm。裏ブタは機密性を重視したスクリューバック仕様のためケース内部を見ることはできないが、ムーヴメントはMIYOTA社のプレミアムラインの自動巻き“Cal.9039(浅草の自社工房で調整済み)”を搭載。
サファイアクリスタル風防とスクリューバックの裏ブタにより10気圧防水を確保しており、日常から週末のアウトドアまで頼れる一本に仕上げられている。
【画像4枚】仕様違いで2機種、キワメトウキョウ新作“IWAO”のデザインを見比べる
【問い合わせ先】
KIWAME TOKYO ASAKUSA ショールーム
info@kiwametokyo.com
※メールにて問い合わせに対応
【編集部のおすすめモデル03】

■Ref.E661M-01。SS(41mm径)。10気圧防水。自動巻き(MIYOTA製Cal.9100)。限定188本。13万9700円
KENTEX(ケンテックス)
エスパイ アクティブⅢ フロストシルバー
日本製にこだわり、手の届く価格で本格的な機械式時計を手がけてきた国産ブランド、ケンテックスの新作。ドレスラインに位置付けられるエスパイに、スポーティブなエッセンスを融合して作られたモデルの最新形で、気圧防水やリューズガードを備えたケースなど、スポーツウオッチ並みのタフなスペックを継承しつつも、ディテールをさらに高品質化し、価格以上の満足感を得られる仕上がりだ。

ケースは直径41mmと存在感を発揮するサイズ感だが、ベゼル径をケースよりも小振りな39mmにしたことで、実寸よりもコンパクトですっきりとした印象を感じさせる。
ムーヴメントはパワーリザーブ表示、日付け、月、曜日表示も備えたマルチファンクション仕様のミヨタ製キャリバー9100を搭載。毎時2万8800振動とハイビートなミヨタのプレミアム機だが、ケンテックスではさらに自社で調整を施した。精度を日差0〜プラス15秒まで追い込んで機能性を高めたほか、 “秋に色づく紅葉”をモチーフにした特別仕様のローターが装備されている。
【画像6枚】仕様違いで3モデル、国産ハイビート×マルチファンクション“エスパイ アクティブⅢ”を別アングルで見る
【問い合わせ先】
ケンテックスジャパン
TEL.03-5846-0811
【編集部のおすすめモデル04】

■Ref.242031。SS(41 mm径)。20気圧(200m)防水。クォーツ(Cal. Ronda 715)。14万3000円
VICTORINOX(ビクトリノックス)
イノックス クォーツ
フラッグシップモデルであるイノックスに加わったクォーツコレクション。堅牢なケースの内部には、スイスのロンダ社が製造するスイス製ムーヴメント、Cal.Ronda 715を搭載。
ISO 1413認定の耐衝撃性、ISO22810認定の防水性能(プロダイバーズに匹敵する20気圧(200m)防水)など、従来のイノックスからタフなスペック、洗練されたデザイン、外装の仕上げを受け継ぎながら、クォーツならではの利便性を備える。
注目したいのが、卓越した金属加工技術が実現した複雑で立体的なケースの造形、美しい仕上げだ。スイス、デレモンの自社工場で製造と仕上げが施され、表面は繊細な筋目を入れたヘアライン仕上げを施しつつ、ベゼルの傾斜に鏡面仕上げを採用。
ブレスレットやバックルは肌に触れるエッジに手作業でR面取りが加えられているため、重厚でソリッドな造形でありつつ、ストレスなく装着することができる。コストや手間を考えると驚きを隠せないが、マルチツールの製造を原点として、スイスでも屈指の金属加工技術を誇るビクトリノックスならではの作りと言えるだろう。
【画像4枚】文字盤違いで2モデル、スイス屈指のタフ時計“イノックス クォーツ”のデザインを見比べる
【問い合わせ先】
ビクトリノックス ジャパン
TEL.03-3796-0951
【編集部のおすすめモデル05】
SEIKO PROSPEX(セイコー プロスペックス)
スピードタイマー メカニカル
1972年に誕生した同社のクロノグラフから意匠を継承したモデル。本作はクロノグラフ機能を備えていないものの、ケース内部に内転式のカウントダウンタイマーを搭載。文字盤外周に収められた“カウントダウンタイマー”によって、残り時間や作業完了までの目標時間といった、任意の時間の計測が可能だ。また、基準位置にルミブライトを充填しているため、暗所でも優れた視認性を確保している。
ケースは直径39.5mmとややコンパクトな設計で、ケースの4時位置に設置されたリューズで文字盤外周に収められたカウントダウンタイマーを操作することが可能だ。特徴的な形状のブレスレットも、かつてのクロノグラフから意匠を受け継いだもので、加工精度を高めたうえで、装着感を考慮した細かなピッチが採用され、美観と装着感が高められている。
ムーヴメントは、約72時間パワーリザーブを備える自動巻きキャリバー、6R55を搭載。ダイバーズウオッチ仕様ではないものの、日常生活用強化防水(20気圧)を備え、ケースはセイコー独自の表面加工技術であるダイヤシールドを施すことで耐傷性と強度が確保されている。
【画像4枚】ホワイトとブラックの2機種、“スピードタイマー メカニカル”のデザインを見比べる
【問い合わせ先】
セイコーウオッチ お客様相談室
TEL.0120-061-012
文◎Watch LIFE NEWS編集部
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