アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
セイコー
スカイライナー カレンダー
今回紹介するのは、1967年頃に諏訪精工舎によって製造された、セイコーのスカイライナー カレンダーだ。
スカイライナーは、1960年に登場したセイコーの薄型高級機“ライナー”の廉価グレードとして、61年に登場したシリーズとされている。ムーヴメントの薄さを生かし、性能に直接関係しない部品の仕上げを簡素化することで量産性を高めたムーヴメントを搭載しているのが特徴だ。
その中でも本個体は、デイト機能を追加したスカイライナー カレンダーとして、63年に製造が開始されたシリーズに属する。
バーインデックスとドーフィン針を組み合わせた、非常にオーソドックスな文字盤デザインが採用されており、当時の実用時計らしい佇まいを感じさせる。文字盤表面には放射状の模様が刻まれ、平凡な雰囲気のなかにも確かな力強さがある。ケースについても、セイコーらしいアレンジが加えられたシンプルなCラインケースを採用している点が特徴的だ。

【写真の時計】セイコー スカイライナー カレンダー。Ref.6222-7060。SS(35mm径)。手巻き(Cal.6222)。1967年製。5万9800円。取り扱い店/WTIMES
【画像:文字盤の表面仕上げやケースの状態をさまざまなアングルから見る(全5枚)】
裏ブタはスナップバック式だが、当時はパッキンを備えた防水仕様であったため、湿気などによる文字盤へのダメージは比較的抑えられている。もっとも、現在ではパッキンやケース自体の劣化が考慮されるため、非防水として扱うことを推奨したい。
グレーやシルバーの文字盤、ロゴ表記やケース形状など、製造時期によってさまざまな仕様が存在するため、自分好みのデザインを探せるのも本シリーズの面白いポイントだ。
一見すると人畜無害で当たり障りのないデザインだが、多くの人が手にする製品だったからこそ、クセの少ない王道の意匠が採用されたのだろう。実際、セイコーのアンティーク時計のなかでも流通量は多く、当時よく売れていたことがうかがえる。
ムーヴメントには、デイト表示を備えた手巻き式のCal.6222を搭載。ベースとなったCal.6220が厚さ3.35mmであったのに対し、本ムーヴメントはカレンダー機構の追加により3.9mm厚へと増している。とはいえ十分に薄型であり、ケース全体の厚みもかなり抑えられている。また、薄型でありながら、同社の礎を築いたマーベルの設計思想を踏襲したベーシックな本中3針レイアウトを採用しているため、時刻合わせ時の針ズレやバックラッシュによる表示誤差が生じにくい、安定感のあるムーヴメントに仕上がっている。
アンティーク時計市場のなかでは量産された廉価グレードであり、あまりに平凡ゆえ見過ごされがちなスカイライナー。しかし、その実用時計としての完成度には目を見張るものがある。さらに、年式ごとに細かな仕様違いが存在し、セイコーのデザインコードの変遷を感じ取れる点も魅力だ。
初めてのアンティークウオッチとしても、デイリーユースのお供としても、ぜひスカイライナーに注目してみてほしい。
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文◎LowBEAT編集部/画像◎WTIMES
