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【実機を拝見しました】遊び心が爆発! 巨匠ジェラルド・ジェンタらしさ際立つ注目の2026年最新作|菊地吉正の時計考_035

ジェラルド・チャールズを象徴する複雑な輪郭で構成されるケース。加工が難しいメテオライトもこのフォルムに沿って正確に加工されている(写真◎筆者)

スイスの独立系ブランドであるジェラルド・チャールズが1月に発表した最新作を先日見せていただいた。今回はそれについて書きたい。

ジェラルド・チャールズとは、20世紀を代表する偉大な時計デザイナーとして時計史にその名を刻む“ジェラルド・チャールズ・ジェンタ(以降ジェラルド・ジェンタ)”が2000年の再始動に伴って自身の二つのファーストネームを冠して設立した時計ブランドである。

ジェラルド・ジェンタは1970年代にパテック フィリップのノーチラスやオーデマ ピゲのロイヤルオークなど、名だたる高級時計ブランドの名作の数々を手がけており、時計界のピカソとさえ称されるほどの人物だ。

同ブランドの旗艦コレクション「マエストロ」はそんなジェラルド・シェンタが生前に呼ばれていた愛称。しかも名デザイナーらしい複雑な輪郭の個性的ケースが独特の存在感を放つ。

彼が遺した2004年のオリジナルデザインをベースに開発されたこのケースは、ローマのバロック建築を代表する教会内壁にある六角形、八角形、そして十字形を組み合わせて生み出されたもの。12時位置側の直線に対して6時位置側は波打つようにカーブする非対称のなんとも不思議なフォルムがとても印象深い。実はこの6時位置の曲線はジェラルド・ジェンタのニヤけた口元に見立てて「ジェンタスマイル」とも呼ばれる。

こうやって手首に着けるとなかなかカッコいい。ただ手首が細い筆者だと大きく感じるがケース幅39mmと大きくない。5Gの耐衝撃性に10気圧防水という実用的なのもうれしい(写真◎筆者)

そして今回見せてもらったのはマエストロの2026年最新作“マエストロ2.0 メテオライト”。つまり貴重な隕石(メテオライト)を文字盤に使ったモデルなのだが、実はそれ以上に驚いたのは遊び心が散りばめられたデザインにある。

そのひとつが6時位置のスモールセコンド。この新作はジェラルド・チャールズとしてはブランド初のスモールセコンド仕様とのこと。にもかかわらずご覧のように秒針などどこにも見当たらない。爆発の際の閃光をイメージさせる中央の黄色いパーツが1分間に1回転する、つまりこれがスモセコというわけだ。

そしてさらによく見るとインデックスもバラバラでフォント自体も歪んでいるではないか。爆発による衝撃を表現しているであろうことはおおかた察しがつく。ただ「ここまでやるんだ」と思わせる徹底ぶりはさすがだ。文字盤を芸術表現のキャンバスと捉えていたというジェラルド・ジェンタのそんなクリエイティビティを身近に感じられる作りといえるのかもしれない。

今回着用させてもらったダークブラストモデルは表面にブラスト加工を施したステンレススチールケースにブラックのベルクロストラップを合わせたスポーティな仕様。ほかにもポリッシュ仕上げのステンレススチールケースに白のベルクロストラップというファッション性を意識したタイプもあって、こっちは女性でも似合いそうな気がした。

【画像】白のベルクロストラップ仕様もチェック!

【マエストロ2.0 メテオライト】
Ref.GC2.0-SSDB-MT00-RSVC_DLE。SS(ケース幅39mm)。10気圧防水。自動巻き(Cal.GCA2011)。世界100本限定。532万4000円/協力◎オフィス麦野 TEL:03-5422-8087

菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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