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【特殊な表記の回転ベゼルを備えたダイバーズウオッチ】1960年代に製造されたプロフェッショナル向けダイバーのエテルナマチック

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


エテルナ
エテルナマチック コンチキスーパー

今回紹介するのは、1960年代後半に製造されたエテルナマチックのコンチキスーパーだ。

1947年、ノルウェーの探検家トール・ヘイエルダールが、ポリネシア人の祖先は南米から来たという説を証明するため、バルサ材のいかだ“コンチキ号”で太平洋を横断する実験航海を行い、約8,000kmの航海を成功させた。その際、乗組員の腕にはエテルナの時計が巻かれており、この航海の成功をきっかけとして、1948年に誕生したのがエテルナのコンチキだ。

当初は、防水ケースや高い視認性を重視した文字盤を備える、ツールウォッチとしての実用性を重視したモデルであった。しかし1960年代末になると、ダイビングブームやプロダイバー用時計の需要増加から、ダイバーズウオッチとして進化したコンチキスーパーが誕生する。

スーパーコンチキは当時の時計としては大型で、ねじ込み式の裏ブタとリューズを備えた40mm径のステンレススチール製ケースを採用した本格的なダイバーズウオッチとして仕上げられている。また、当時はロレックスのサブマリーナーなど一部を除き、ねじ込み式リューズを採用するダイバーズウオッチは少なかったため、本個体の本格性がよくわかる。

【写真の時計】エテルナマチック コンチキスーパー。SS(40mm径)。自動巻き(Cal.1489K)。1960年代後半製。99万円。取り扱い店/プライベートアイズ

【画像:特殊な表記の減圧ベゼルや裏ブタのメダリオン、ムーヴメントを確認する(全8枚)

時分針や文字盤上にクサビ形に盛られたトリチウム夜光に剥がれは見られず、程よく焼けた状態で当時の雰囲気を保っている。防水ケースの気密性も維持されていたのか、文字盤へのダメージもほとんどなく、非常に良好な状態だ。加えて、純正のゲイフレアー社製ブレスレットが装着されている点は見逃せない。

また、回転ベゼルに注目すると、通常のダイバーズウオッチとは異なる、不規則な間隔で数字が配置された“減圧ベゼル”が装着されている点も本シリーズの特徴だ。通常のダイバーズウオッチが“潜水開始からの経過時間”を測るのに対し、このベゼルは“どの深さに何分いられるか(無減圧潜水時間)”を直感的に確認するための計算尺として機能している。

例として、水深50mに到達した瞬間の分針にベゼルの三角マーカーを合わせると、ベゼルに示された50の時間まで(およそ8~9分間)水深50mにおいて無減圧でいられることが読み取れるようだ。

現在のようにダイブコンピュータが存在しなかった時代、このベゼルは命を守るアナログコンピュータとして機能していたのだ。また、販売国によってメートル表記とフィート表記のバリエーションが存在し、本個体はメートル表記仕様である。

そのダイビングツールとしての実用性の高さから、同モデルはイスラエル国防軍にも採用されたとされるエピソードも残されている。

ムーヴメントには自動巻きのCal.1489Kを搭載。1948年に同社が発表した、自動巻きローターの軸にボールベアリングを採用した“エテルナマチック”の系譜を受け継ぐムーヴメントだ。基本設計は、後のETA 2824やその前身ムーヴメントに近い構造を持ち、リバーサー車など自動巻き機構の作りも類似している。その理由として、ETA社がもともとエテルナのムーヴメント部門として1932年に独立した会社であることが影響していると考察できる。

同年代のダイバーズウオッチを圧倒する造り込みと、唯一無二のデザイン。資産性やブランドステータスに関係なく、歴史的名作としての独創性が光るこの逸品を、ぜひその手に取って体感してほしい。

 

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文◎LowBEAT編集部/画像◎プライベートアイズ

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