LowBEAT magazine 最新入荷情報

【見た目は3針、中身はクロノグラフ】簡易クロノグラフを備えた“オメガ クロノストップ”の魅力と特徴を徹底解説

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


オメガ
クロノストップ

今回取り上げるのは、1960年代に製造されたオメガのクロノストップだ。
1966年に発表されたモデルであり、当初はシーマスターコレクションの一部として登場したが、67年には若年層向けの低価格クロノグラフとしてジュネーブコレクションでも展開されたとされている。

クロノグラフ機能を思わせるモデル名だが、文字盤上にはインダイアルのないシンプルなデザインを採用しており、一見すると通常の3針時計のようにも見える点が特徴的だ。本モデルは秒数のみを計測可能な簡易クロノグラフ機能を備えており、2時位置のプッシャーによってスタート、ストップ、リセットの操作を行うことが可能となっている。

デザインに注目すると、シックなグレー文字盤に“レーシングダイアル”と呼ばれるチェッカーフラッグ柄の分目盛を組み合わせたスポーティな意匠を採用しており、モータースポーツやレースシーンを意識していたことがうかがえる。

全体のコンディションに目を向けると、研磨などの影響によりケースエッジに若干のダレが見られるものの、文字盤や針は良好な状態を維持している。

【写真の時計】オメガ クロノストップ。Ref.145.009。SS(35mm径)。手巻き(Cal.865)。1960年代製。28万6000円。取り扱い店/モンテーヌサカエチカ

【画像:チェッカー柄のミニッツサークルやスクリューバック式の裏ブタの状態を見る(全5枚)

ムーヴメントには手巻きのCal.865を搭載。スピードマスターに搭載された名機Cal.861をベースに開発されたムーヴメントであり、その構造をより簡素化した設計が採用されている。先にも述べたように、2時位置のプッシャーで基本操作を行い、スタート、ストップ、そしてプッシャーを離すことでクロノグラフ針が瞬間的にリセットされる仕組みとなっている。

通常のクロノグラフのように“止めてからじっくり読み取る”のではなく、計測と同時にリセットされるこの機構は、短時間の計測、たとえばレースのラップタイム測定などに特化していたとされている。

堅牢な基本設計を備えるCal.861の強みを存分に生かした設計であり、クロノグラフ機構が簡素化されたことで、より信頼性の高いムーヴメントへと仕上げられている。

とはいえ、全く気を遣わずに使えるかと言われれば答えはNOだ。簡易的とはいえクロノグラフであるため、適切な操作が求められる。

たとえば、プッシャーを押して針を止めている間は水平クラッチが切り離され、動力伝達が行われない状態となるが、レバーやバネ類には継続的に負荷がかかる状態となる。パーツの変形やヘタリを防ぐためにも、計測後は速やかに指を離し、負荷のかからないニュートラルな状態、つまりリセット状態へ戻す操作を心掛ける必要がある。

また、ストップ後にプッシャーを離した際には針が瞬間的に帰零するが、このとき針のハカマ(付け根)に大きな負荷がかかり、長年の使用と相まってゼロ位置がわずかにズレてしまうことがある。そのため、むやみにクロノグラフを動作させないことが推奨される。

現代においては、わずか数十秒を計測する機会はほとんどないが、独特の歴史的背景や機構を比較的手頃に楽しめるという点において、本作は見逃せない選択肢のひとつと言えるだろう。スポーティな意匠と、それに見合う堅牢さを備えたオメガのクロノストップにぜひ注目してみてほしい。

【LowBEAT Marketplaceでほかのオメガの時計を探す

 

 

 

文◎LowBEAT編集部/画像◎モンテーヌサカエチカ

次のページへ >

-LowBEAT magazine, 最新入荷情報

PHP Code Snippets Powered By : XYZScripts.com