アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
ヴァシュロン・コンスタンタン
ラウンド
今回取り上げるのは、1960年代に製造されたヴァシュロン・コンスタンタンのラウンドモデルだ。世界三大時計ブランドのひとつであり、200年以上の歴史をもつブランドであるものの、その威厳を表に出さない、控えめなデザインのドレスウオッチである。
バーインデックスが配されたサンレイ文字盤にペンシル針を合わせた、非常にシンプルな顔立ちが端正な印象を与える。一見するとステンレススチール製のケースとも思えるデザインだが、本個体はなんとホワイトゴールドをふんだんに使用した金無垢時計なのである。
現行品のような華美な装飾や、深みのあるポリッシュ仕上げなどが施されていないため、ごく一部のコアなマニアを除けば、高級時計であることに気付かないほどシンプルで簡素なデザインが採用されている。しかし、見た目で多くを語らない寡黙さこそが、アンティークの高級ドレスウオッチならではの魅力と言えるだろう。
とは言え、シンプルでありながらも12、3、6、9時位置のインデックスに多面カットを施すことで文字盤全体の印象を引き締め、間延び感を抑えている点から、高級機としての細部へのこだわりが感じられる。

【写真の時計】ヴァシュロン・コンスタンタン ラウンド。Ref.6564。WG(33m径)。手巻き(Cal.K1002/2)。1960年代製。88万5000円。取り扱い店/ムーンフェイズ
【画像:ホワイトゴールド製のケースやムーヴメントの状態を見る(全6枚)】
全体のコンディションに注目すると、針に細かなキズのようなものが見受けられるものの、目立ったダメージは確認できない。文字盤に関しても腐食やシミのない良好な状態だ。ホワイトゴールド製のケースも使用に伴う小キズは見られるが、ラグの変形や目立った打痕はなく、オリジナルのシェイプを維持している。
ムーヴメントには、ジャガー・ルクルト製のCal.819をベースとしたCal.K1002/2を搭載。優雅な曲線を描くブリッジの分割が美しく、コート・ド・ジュネーブ仕上げの受け板や歯車の仕上げについても抜群のクオリティを誇る。
本ムーヴメントでは、テンプの外周に配された錘によって歩度調整を行うフリースプラング方式を採用しており、緩急針を廃することで、より長期的かつ精密な調整を可能としている。加えて、厳格な品質証明のひとつであるジュネーブ・シールの刻印が施されている点にも注目したい。
また、長年の使用や整備後の針の組み付け時にダメージが入りやすい秒カナの抑えバネも、目立った曲がりやへこみ、歪みは見られず、良好な状態を維持している。
落ち着いた紳士的な印象を与える、ホワイトゴールド製のドレスウオッチに注目したい。
【LowBEAT Marketplaceでほかのヴァシュロン・コンスタンタンの時計を探す】
文◎LowBEAT編集部/画像◎ムーンフェイズ
