
前回、数万円で買える国産ヴィンテージとしてセイコークラウンを紹介したところ多くの反響をいただいた。そのため第二弾をお届けする。
今回は、最近若い人の間では80年代以降の角形時計が注目を集めているというので、だいぶそれとはテイストは違うが1966年製セイコーの手巻き式角形時計を紹介する。
カルティエのタンクなど現代の角形時計のような洗練された華やかさはない。ただ角形ケースに丸い文字盤を合わせるなど、この昭和の時代らしい感じがなんとも味わい深く、逆に新鮮に感じられるからおもしろい。
まずはこれに搭載されている手巻きムーヴメント、Cal.6660について解説すると、60年発売のスポーツマン17をベースに、ディズニータイム、スポーツマチックなどに採用されて60年代の普及機の基幹ムーヴメントとも言える通称”66系”の最終形となる。そのため石数を21に増やし仕上げも高級化された機械なのである。
10型という60年代後半におけるセイコーの紳士用ムーヴメントとしては小径である点も特徴。その利点を生かしてシンプルで上品なドレスウオッチとして短期間だけ販売されていたようなのだ。そのためペットネーム(モデル名)は付けられていないものの、後の薄型ドレスウオッチ”シャリオ”のベースとなった。
シャリオといえば80年代に販売されたクォーツモデルは、アップル創業者のひとりスティーブ・ジョブズが愛用していたことでも知られる。
ちなみにここに取り上げたセイコーの角形時計だが、裏ブタを見るとブルーの保護フィルムが付着している。つまり、ほぼ未使用な状態の個体という超希少品。それにもかかわらず8万円台。これがまさにヴィンテージSEIKOがいま世界的に注目されている理由のひとつと言えるだろう。
[セイコー]
Ref.6660-6000。SS(28×32.7mmサイズ)。手巻き(Cal.6660)。1966年製。8万8000円
協力◎JAPAN VINTAGE WATCH SHOP
https://lowbeat.jp/jvw-shop/year/1960/seiko-cal6660-square-case/

