アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
ロレックス
デイトジャスト Ref.1601/8
今回取り上げるのは、1968年頃に製造されたロレックスのデイトジャスト Ref.1601/8だ。
ケース素材に18金イエローゴールドを採用し、象徴的なフルーテッドベゼルと相まってエレガントな印象を与える仕上がりだ。ロレックスが誇る気密性に優れたオイスターケースが採用されているため、ドレッシーでありながら実用性は抜群。さらに、耐食性に優れたケース素材ゆえに、高温多湿な日本の気候においても傷みにくいという大きなメリットを備えている。

【写真の時計】ロレックス デイトジャスト。Ref.1601/8。K18YG(36mm径)。自動巻き(Cal.1570)。1968年頃製。179万8500円。取り扱い店/BEST VINTAGE
【画像:コンディションの良いケースや自動巻きムーヴメントの状態を見る(全6枚)】
日本国内でヴィンテージウオッチを愛用する際、夏の高温多湿な環境は大敵とされる。非防水の時計は隙間から湿気が侵入し、文字盤やムーヴメントを痛めてしまうが、防水構造を備えたモデルであっても製造から数十年が経過したヴィンテージならではの要因が存在する。
1つ目は“パッキン類や風防の経年劣化”だ。ゴムパッキンは経年で硬化・収縮し、プラスチック風防も収縮によってケースとの噛み合わせが緩むことがある。また古い年代のウオッチでは、かつて画期的だった鉛ガスケットやコルクパッキンが使われている場合もあり、これらは現代の合成ゴムに比べ密着性や復元力に限りがあるため、目に見えない湿気への長期的気密性を保つのは難しい。
2つ目は“汗などによるケースの腐食”だ。汗に含まれる塩分がパッキンとケースの隙間に溜まることで腐食が発生する場合がある。特にステンレススチール製ケースで多く見られ、金属表面が虫食い状に荒れてしまうと、オーバーホール時にパッキンを新品交換しても元の防水性能を取り戻せなくなるのだ。そのため着用後は、固く絞った柔らかい布などで汗や水分を丁寧に拭き取ることが欠かせない。
1つ目の要因はパーツ交換で対策可能だが、2つ目のケース自体の腐食は一度進行すると復元が極めて困難だ。
そこで大きなアドバンテージとなるのが、貴金属を用いたケースである。18Kゴールドやプラチナをはじめとする貴金属は、ステンレスに比べ汗の塩分や酸化に対する耐食性が圧倒的に高い。裏ブタのネジ山やパッキン接地面が腐食で崩れにくく、メンテナンスを重ねることで本来の気密性を長期間キープできる。
ちなみに、ヴィンテージウオッチで採用されている場合は少ないが、チタン合金製のケースも腐食が発生しにくいとされている。ただし、接合部に使われているステンレス製のピンやバネ棒との間での“微小な摩擦によるガジリ(固着)”や“汗の塩分・皮脂の固形化”が進み、バンド交換時や調整時にバネ棒やピンが外せなくなるケースもあるため、汗をかいた後のケアは忘れないようにしたい。
金無垢のデイトジャストと聞くと華やかさやステータス性に目が向きがちだが、高温多湿な日本の環境においては“長く美しいコンディションを維持できる合理的な選択肢”になり得る。ヴィンテージウオッチの魅力を安心して日常で楽しむための知識として、ぜひ心に留めておきたいポイントだ。
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文◎LowBEAT編集部/画像◎BEST VINTAGE

