【国産機械式時計と“本漆文字盤”】会津の伝統工芸を取り入れた、Knot(ノット)の限定コレクション

 2014年にブランド創設から7年の歳月を経て、国内はもとより海外からも注目を集める時計ブランドとして成長したKnot(ノット)。同価格帯の時計と比較しても格段に高い品質や、10万種類以上のコーディネイトが楽しめるカスタムオーダーなど、独自のビジネスモデルは、国産時計に新しい付加価値を与え、業界に革命を引き起こした。

》Knot(ノット)の国産機械式コレクション

 カスタマイズの楽しさはもちろんだが、もうひとつ見逃せないのが、高品質でありつつリアルプライスな日本製機械式腕時計を製造してきた点だろう。


 製造拠点がコストの安い海外へとシフトしたことで、技術の継承が難しくなっている国産の機械式時計。そんな業界への危機意識から、ノットは日本で製造されたムーブヴメント、国内最高峰の技術を擁する林精器が製造するザラツ研磨を駆使したケース、国産の腕時計でもほとんど見られなくなった文字盤製造も日本で行うなど、失われつつある日本の腕時計製造技術を結集。リアルプライスな日本製機械式腕時計のコレクションを展開している。

》伝統工芸を取り入れたリアルプラスの高品質時計

 ファーストコレクションとして3針のオートマティックを発表して以降、オートマティッククロノグラフ、そしてスポーツモデルと、ラインナップを拡充。さらに、日本の伝統工芸や産業技術をクローズアップした限定コレクションを展開し、その魅力をユーザーに伝えてきた。

■Ref.AT-38SVJPRD。SS(38mm径)。5気圧防水。自動巻き(Cal.MIYOTA 9015)。7万1500円(※バックルは別売り)

 ここでは、そんな限定コレクションのなかから、会津の伝統工芸師が塗り・乾燥・研ぎを重ねた“漆 金粉散らし”文字盤を採用したモデルに注目してみた。光沢が美しい艶やかな朱の文字盤には、金塊から削り出した金粉をまぶす装飾が施され、細かい粒子の重なりにより漆の深みを引出す。その風合いはひとつ一つ異なり、既存プロダクトにはない唯一無の魅力を生み出している。


 シースルーバックの裏ブタからハイビートの国産自動巻きムーヴメントを鑑賞できる。6時側カン股にはシリアルナンバーをレーザーで刻印。


》編集部の注目モデル
Maker’s Watch Knot(メーカーズ ウォッチ ノット)

PREMIUM AUTOMATIC Model
漆金粉散らし2021 LIMITED MODEL

 艶やかな質感を備えた朱の文字盤に、金塊から削り出した金粉をまぶし、細かい粒子の重なりによって、美しく雅な風合いを生み出している。

■時計本体:Ref.AT-38BKJPRD。SS(38 mm径)。5気圧防水。自動巻き(MIYOTA、Cal.90 15)。8万2500円
■ベルト:コードバン ストレートシェイプ。Ref.SOC-18BK。8800円(※バックルは別売り)


》会津伝統工芸師が生み出す繊細で美しい“本漆文字盤”


 “漆”は、縄文時代から日本で継承される塗装技術。塗膜が堅く、現代の一般的な化学塗料よりも強靭で優れた性質を備える。本作の文字盤は会津若松伝統工芸士、大竹信一氏が手がけた。
 通常の漆工程の途中で金粉を振り、更に研ぎ、塗り、乾燥を重ね、20日間にわたる30もの工程を経て、時計文字盤に求められるミクロン精度の平滑面を研ぎ出し、成度の高い漆文字盤を生み出している。


【問い合わせ先】
Maker’s Watch Knot
TEL:0800-555-7010
https://knot-designs.com

【販売サイト:Maker’s Watch Knot(メーカーズ ウォッチ ノット)公式サイト


文◎船平卓馬(編集部)