SIHH 2019年 新作時計レポート【vol.04】オーデマ ピゲ

新たなウオッチメイキングへの想いを体現する新コレクション登場

 SIHHへの出展が最後となる今年。オーデマ ピゲからは、四半世紀の時を経て注目の新コレクション、“CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ”が発表された。

 読みかたは「コード イレブン フィフティナイン バイ オーデマ ピゲ」。名前の“CODE”は、Challenge(挑戦)、Own(継承)、Dare(追求心)、Evolve(進化)とオーデマ ピゲのDNAを象徴する四つのキーワードの頭文字から取ったものだ。

 そして、それに続く“11.59”は12:00の1分前を示しており、これから新しい1日が始まるという意味が込められていると言う。まさにオーデマ ピゲが新たに目指すウオッチメイキングへの想いを体現するコレクションというわけである。

 その作りたるや上の写真からもわかるように、これまでとはあきらかに違う独創性に富んだものとなっている。まず筆者が真っ先に驚いたのがラグの造形である。正面から見ると至って普通なのだが、サイドから見るとオープンワーク、つまり空洞を生かした造形(下の写真)になっているからだ。しかもそれは、限りなく薄く仕上げられたベゼル幅と一体化するように細く丁寧に仕上げられ、洗練度をさらに高めている印象を受ける。

 さらに、フェイスは丸形なのに対して、ミドルケース自体は八角形のものが採用されている。丸形と八角形との組み合わせと聞くと不自然なようにも感じるのだが、時計を斜め上から見たときに光の加減でほのかにニュアンスが生まれ、正面からの印象とは若干変わる気がした。八角形自体はそれほど目立つわけではないが、曲面とは違った感じでおもしろい。

 また、サファイアクリスタル風防も凝っている。風防内側がドーム形のように3次元曲面で作られており、外側は12時から6時の縦方向にかけてカーブが付けられ、さらに9時と3時側がフラットという、かなり複雑な作りだ。この独特な設計によって、遠近感や光の効果を狙っているというのだが、いずれにせよ容易に加工ができる代物でないことはあきらかだ。

 そして、実際に白文字盤のピンクゴールドを着けさせていただいた。インデックスがピンクゴールドの鏡面仕上げのために、光が反射してしまい、残念ながら全体がキレイに写っていないが、単体で見るのと実際に着けてみるのとでは少し感じが違った。「意外」と言っては失礼だが、文字盤自体はとてもベーシックなデザインのため落ち着いていて大人っぽい雰囲気ながら、ラグやミドルケースの造形が程よい存在感を与え、現代的な感じも味わえる。クラシックすぎない、このバランスがファッション的には合わせやすく丁度いいと感じた。

 搭載された自動巻きムーヴメントは約5年の歳月をかけて新たに開発されたCal.4302。毎時2万8800振動のハイビート化に加えて、パワーリザーブも約70時間に延長された。ちなみに、このCal.4302を搭載したロイヤル オーク(下に紹介)も同時に発表されている。このことからもCal.3120の後継機として、今後はこのCal.4302が主軸となるであろうことは容易に察しが付く。

 この“CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ”、3針モデルからハイコンプリケーションまで、実に6型13モデルがラインナップする。しかしながらオーデマ ピゲの年間生産数約40000本に対して年産2000本と生産本数が限定されている。そのため日本での取り扱いは100〜200本程度となる見込みで、販売はブティック限定とのことである。

CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ・オートマティック

INFORMATION
型番:Ref.15210OR.OO.A002CR.01
ケース素材:K18ピンクゴールド
ベルト素材:アリゲーター
サイズ:ケース径41mm、ケース厚10.7mm
防水性:30m防水
ムーヴメント:自動巻き(Cal.4302/毎時2万8800振動/パワーリザーブ約70時間)
機能:時・分・秒表示、日付け表示
税込価格:302万4000円

 

 

 

 

 

CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ・クロノグラフ

INFORMATION
型番:Ref.26393BC.OO.A002CR.01
ケース素材:K18ホワイトゴールド
ベルト素材:アリゲーター
サイズ:ケース径41mm、ケース厚12.6mm
防水性:30m防水
ムーヴメント:自動巻き(Cal.4401/毎時2万8800振動/パワーリザーブ約70時間)
機能:時・分表示、クロノグラフ機構(30分積算計、12時間積算計)、スモールセコンド、日付け表示
税込価格:480万6000円

 

 

 

 

 

ロイヤル オーク・オートマティック

 CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲに搭載された新開発の自動巻きムーヴメント、Cal.4302を搭載したロイヤル オークも同時に発表された。それに伴い、前作(15400ST)とケース径は41mmと変わらないものの、ケース厚は9.8mmから10.4mmに若干変更されている。

 ラインナップはステンレススチールケースが文字盤カラー違いで3タイプ(ネイビー、グレイ、ブラックの3色)。加えて18金ピンクゴールドがレザーとブレスレットで用意された。ちなみにスチールのネイビー文字盤はブティックのみの販売となる。

INFORMATION
型番:(左)Ref.15500ST.OO.1220ST.03、(上)Ref.15500ST.OO.1220ST.02
ケース素材:ステンレススチール
ベルト素材:ステンレススチール
サイズ:ケース径41mm、ケース厚10.4mm
防水性:50m防水
ムーヴメント:自動巻き(Cal.4302/毎時2万8800振動/パワーリザーブ約70時間)
機能:時・分・秒表示、日付け表示
税込予価:各216万円(2019年6月発売予定)

 

 

 

 

ロイヤル オーク・クロノグラフ

 実は、筆者が実機を見たかったもうひとつの新作がこれである。38mm径と既存モデルから3mmもダウンサイズされたロイヤル オーク・クロノグラフだ。一般的には既存の41mmで十分なのだろうが、筆者のように手首が細い人間にとっては、現行モデルで40mmアンダーのクロノグラフが非常に少ないだけに、にわかに興味がわいてくるのである。

 そこで早速実機を着けさせていただいた(上の写真)。ブレスレットの場合は、細かく曲がるレザーストラップに比べて、ケースサイズが同じでも着けたときのフィット感は微妙に違う。特に手首が細いとなおさらそれを強く感じることが多い。その点からすると38mm径ぐらいだと手首の幅に対して納まりが良く、見た目のサイズ感もやっぱりいい。

INFORMATION
型番:(左)Ref.26315ST.OO.1256ST.02、(上)Ref.26315ST.OO.1256ST.01
ケース素材:ステンレススチール
ベルト素材:ステンレススチール
サイズ:ケース径38mm、ケース厚11mm
防水性:50m防水
ムーヴメント:自動巻き(Cal.2385/毎時2万1600振動/パワーリザーブ約40時間)
機能:時・分表示、クロノグラフ機構(30分積算計、12時間積算計)、スモールセコンド、日付け表示/span>
税込予価:各270万円(ブティック限定/2019年9月発売予定)

 

 

 

(取材・文◎菊地吉正/現地撮影◎神戸シュン)

お問い合わせ:オーデマ ピゲ ジャパン TEL.03-6830-0000
https://www.audemarspiguet.com/ja/

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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