“究極のトゥールビヨン”も、ついに10作目! コンプリモデルから実用機まで。多彩な2019年ハリー・ウィンストンの新作

2019年5月14日(火)から16日(木)にかけて、特別に選ばれたプレス関係者だけをスイス各地の会場およびブランド本社に招待して開催されたスウォッチ グループ傘下のラグジュアリー6ブランド合同新作発表会“TIME TO MOVE(タイム・トゥー・ムーブ)”。

残念ながら、我が編集部の現地取材は叶わなかったが、遅ればせながらWatch LIFE NEWSでもタイム・トゥー・ムーブで発表された、各ブランドの2019年新作をご紹介。
まずは、ハリー・ウィンストンの新作から紹介していく。

なんと四つもトゥールビヨンを搭載!
“イストワール・ドゥ・トゥールビヨン 10”

発表された新作のなかでも特に目を引いたのは、イストワール・ドゥ・トゥールビヨン 10だ。

“究極のトゥールビヨンの創造”をテーマに掲げ、技術の限界に挑み続ける“イストワール・ドゥ・トゥールビヨン”シリーズ。2009年の第1作から10年目を迎えた今年、そのシリーズ最終章としてイストワール・ドゥ・トゥールビヨン 10が発表された。

最大の特徴は、何と言ってもシリーズ初となる四つのトゥールビヨンを搭載している点。ケースの四隅にトゥールビヨンを配置し、なんとも個性的なビジュアルを作り出しているが、その見た目もさることながら、本作のスゴいところは、見かけのインパクトを求めたものではなく、高精度を狙ったものであるというところであろう。

搭載されている四つのトゥールビヨンは、それぞれ36秒で1回転するが、ディファレンシャルギア(二つの部分の動きの差を検出し、トルクを整流する歯車)と連結。ケース右側の二つのトゥールビヨン、そしてケース左側の二つのトゥールビヨンと連結したギアが、それぞれ二つのトゥールビヨンの精度の誤差を平均化している。

さらに、この二つのディファレンシャルギアと連結するもうひとつのディファレンシャルギアをケース中央部分に配置し、平均化された精度をさらに平均化。計三つのディファレンシャルギアにより精度の誤差を平均化することで精度の向上を狙った、まさにシリーズコンセプトにふさわしい超ド級のトゥールビヨンとなっている。

イストワール・ドゥ・トゥールビヨン 10
K18WGモデルはロジウムメッキのトゥールビヨンブリッジとダークグレーのプラチナがシックな印象。また、K18RGモデルではライトグレーをベースにダークグレーがアクセントを加えている。また、ベルトはそれぞれのモデルにマッチしたカラーとステッチを採用。K18WGモデル(ウィンストニウムモデルも)にはブラックアリゲーターレザーとPt950の糸によるステッチ、K18RGモデルにはコッパーハイライトがニュアンスを与えるブラックアリゲーターレザーにK18RGの糸によるステッチを施す。
■(左)Ref.HCOMQT53WW001。K18WG。(右)Ref.HCOMQT53RR001。K18RG。53.3mm×39.1mmサイズ。3気圧防水。手巻き(Cal.HW4702)。世界限定各10本。各8825万円(税抜き予価、11月発売予定)

シースルーバックからのぞく手巻きムーヴメントのCal.HW4702。3.2時間に1回転する、2個同軸の高速回転香箱を二つ搭載し、約55時間パワーリザーブを実現。また、実に控え目だが、パワーリザーブインジケーター(写真右上部分)も備えている

こちらは世界限定1本のウィンストニウムモデル。ケースにはPtをベースにより白さを追求した“ウィンストニウム”という独自の特殊合金を採用した。その組成は明らかではないが、通常のPtよりもロジウムが多く配合されているという。
■Ref.HCOMQT53PP001。ウィンストニウム。世界限定1本。8990万円(税抜き予価、発売時期未定)

 

ブランドの出自を色濃く醸すHW エメラルドコレクションに、
メンズライクな大ぶりサイズが登場!

歴史的な宝石を次々と獲得して“キング・オブ・ダイヤモンド”と呼ばれたブランドの創始者、ハリー・ウィンストン。こうした歴史的背景から、多くの人にとってハリー・ウィンストンといえば、超一流のジュエラーというイメージの方が強いのではないだろうか。

事実、彼は金属の使用を最小限に抑えることによって、宝石本来の美しさを最大限に引き出す現代的なカッティングとセッティング手法により、アメリカのジュエリーシーンに革命を起こしたことで特に名を知られている。

そんなハリー・ウィンストンらしいウオッチコレクションにHW エメラルドコレクションがある。創始者ハリー・ウィンストンがもっとも愛したダイヤモンドの形“エメラルドカット”のシルエットからインスピレーションを得た8角形のケースフォルムが特徴のコレクションだ。

これまでは女性向けのミニサイズモデルのみを採用していた同コレクションであったが、今年は新作として、33mmサイズの新作が加わった。33mmというと数字だけを聞くと小さい印象を受けるが、これはケースの横幅。縦幅は39mmあり、メンズ向きの大ぶりサイズのコレクションとなっている。

なお、自動巻きモデルとクォーツモデルが同時に発表されており、サイズはどちらも同じだが、文字盤のデザインや仕上げがそれぞれ異なっている。

HW エメラルド・オートマティック 33mm
自動巻きモデルは、ベーシックなセンターセコンドのデイト表示付き。文字盤は中央から外に向けてサンレイ仕上げで、ブルー文字盤は特にカラーがグラデーションになっており印象的。また、文字盤外周には視認性を高めるためのインデックスリングをレイアウト。また、搭載ムーヴメントは約72時間パワーリザーブを備えた実用的な自動巻き。しかもシリコン製平ヒゲゼンマイを使用しており、長期間にわたる性能維持を可能にしている。写真がないのが残念だが、ケースはシースルーバック仕様で、スケルトン加工を施したK18WG製ローターやコート・ド・ジュネーブ、ロジウムメッキ、サーキュラーグレインなどの丁寧な仕上げが施されたムーヴメントを見ることができる。
■Ref.EMEAHD33WW001。K18WG(33.3mm×39.3mmサイズ)。3気圧防水。自動巻き(Cal.HW2003)。230万円(税抜き予価、12月発売予定)。K18RGモデル、Ref.EMEAHD33RR001は220万円(税抜き予価、12月発売予定)

HW エメラルド 33mm
クォーツモデルは、2針のデイト表示付き。自動巻きモデルと同様、文字盤は中央から外に向けてサンレイ仕上げが施されているが、字盤外周のインデックスリングは設けられていない。なお、クォーツモデルでは、ケースとラグに94個のラウンド・ブリリアントカット・ダイヤモンドがセッティングされたバリエーションも用意されている。
■Ref.EMEQHD33WW001。K18WG(33.3mm×39.3mmサイズ)。3気圧防水。クォーツ。175万円(税抜き予価、12月発売予定)。K18RGモデルのRef.EMEQHD33RR001は165万円(税抜き予価、12月発売予定)。また、ダイヤモンドセット仕様はK18WGモデルのRef.EMEQHD33WW002が265万円、K18RGモデルのRef.EMEQHD33RR002が255万円(ともに税抜き予価、12月発売予定)

 

人気の高いプロジェクト Z、HW オーシャン・コレクションにも魅力的な新作が登場!

シリーズを最も特徴付ける要素となっている独創的な特殊合金“ザリウム”をケースに採用した人気のプロジェクト Zシリーズ。その13作目として発表されたプロジェクト Z13では、特徴である立体的な造形やムーヴメントの仕上げの美しさが際立つスケルトン文字盤などの要素を取り入れつつ、シリーズで初めてムーンフェイズ機構が搭載された。

シリーズ初のムーンフェイズモデルということに加え、さらにそれを独創的なものとしているのが手裏剣モチーフのデザインだ。このモチーフは、シリーズ誕生当初から用いられてきたが、ハリー・ウィンストン独自のデザインを実現するために、月の形は円ではなく、12角形デザインを採用。また、ムーンカバーを支える4つのアームと12時側にレイアウトされた文字盤の外周部分には、シリーズで初めてカーボンファイバーが採用された。

プロジェクト Z13
オフセンター配置の文字盤スタイルは、同シリーズの象徴的なデザイン要素として12時位置にレイアウト。6時位置にムーンフェイズ表示が設けられているほか、レトログラード式デイト表示を採用しており、文字盤の下部にデイトインデックスがレイアウトされている。
■Ref.OCEAMP42ZZ001。ザリウム(42.2mm径)。10気圧防水。自動巻き(Cal.HW3202)。世界限定300本。270万円(税抜き予価、10月発売予定)

プロジェクト Z同様、人気のHW オーシャン・コレクション。ラグジュアリースポーツを体現したコレクションであり、スポーティーかつ洗練されたスタイルを特徴としているが、今年はよりエレガントな雰囲気を強調した新作が登場した。

ベースはオフセットされた文字盤、そしてレトログラード式のスモールセコンドと曜日表示を備える既存のHW オーシャン・バイレトログラード オートマティック 42mmと同様だが、文字盤にキラキラと繊細に煌めく“ルテニウムクリスタル”を時計の素材として初めて採用。さらにケースやベゼル、文字盤に合計約4.81カラットのダイヤモンドもセットされている。

HW オーシャン・スパークリング バイレトログラード オートマティック 42mm
ルテニウムクリスタルを腕時計の素材として初めて採用したモデル。ルテニウムクリスタルは、まるで海に反射する太陽光のようにあらゆる方向から光をとらえて反射。その魅力的な輝きに加え、この素材は砂のようなわずかにザラザラした質感で、文字盤に視覚的な独創性と深みを加える。
■Ref.OCEABI42WW003。K18WG(42.2mm径)。10気圧防水。自動巻き(Cal.HW3305)。世界限定20本。1425万円(税抜き予価、11月発売予定)

また、もうひとつ注目しておきたいのが、HW ミッドナイト・コレクションからの新作“HW ミッドナイト・ヨゾラ オートマティック”だ。男性用42mm、女性用39mmと、二つのケースサイズで展開するコレクションで、日本の中屋万年筆との新たなコラボレーションにより誕生したモデルとなっている。

モデル名にもなっているが、文字盤デザインのインスピレーションになったのは“夜空”。
ニューヨークの夜空をイメージしたという文字盤は、日本の伝統的な芸術技法である“蒔絵”の技法でハリー・ウィンストン5番街本店のアーチと、そこから放たれる光が表現された。

漆で文様を描き、その上に金属粉を蒔いて絵柄を生み出すが、職人は細い竹筒にパラジウムとプラチナの粉末を充填し、繊細な手作業によってその粉を図柄を描いた漆の上に蒔いていく。この文字盤のアーチや光線、そしてアワーインデックスが、この技法により細密に描かれている。

さらに5番街本店のアーチ部分の装飾と漆文字盤に浮かぶようにあしらわれたマザー・オブ・パールの象眼は螺鈿(らでん)の技法によるもの。色と反射の仕方が似ているマザー・オブ・パールをそろえ、その繊細な素材を小さな破片にカットし、文字盤に貼り付けていく。

なお、漆は塗布するのが非常に困難であるだけでなく、1層乾燥するのに3週間~1カ月を要することから、その製作は極めて複雑で長い時間を必要とする。このモデルの文字盤に施された漆塗装は、9層以上にもおよぶという。

HW ミッドナイト・ヨゾラ オートマティック 42mm
42mmの男性向けモデル。その外装に関する特徴はすで紹介したとおりだが、中身のほうもぬかりなし。搭載するのは約72時間パワーリザーブを備えた自動巻き。さらにシリコン製平ヒゲゼンマイを使用している。なお、42mmの男性向けモデルのほかに、39㎜の女性向けモデルもある。こちらも同様のデザインだが、ベゼルとラグにはダイヤモンドをセット。男性向けモデル同様、世界限定10セットの希少な逸品だ。画像がないのが残念だが、中屋万年筆とのコラボレーションを記念して、ケースバックのサファイアクリスタルには中屋万年筆のロゴが施される。
■Ref.MIDAHM42WW003。K18WG(42mm径)。3気圧防水。自動巻き(Cal.HW2008)。世界限定10セット。800万円(税抜き予価、2020年1月発売予定)

同モデルでは、時計と同じデザイン、同じ装飾技法とカラーを採用した中屋製万年筆がセットになっており、手作りの竹製ボックスも付属。この竹製ボックスには三つの引き出しがあり、腕時計と万年筆のほか、インクカートリッジやコンバーターおよび保証書などが収められている。また、この特製の竹製ボックスは機能的に設計されているので、万年筆用のスタンドとしても使用できるという

 

駆け足での紹介となってしまったが、今回紹介した新作は基本的にメンズ向けのモデル。レディスモデルの新作に関しては、また後日、紹介を予定している。

 

文◎佐藤杏輔(編集部)

 

 

【問い合わせ先】
ハリー・ウィンストン クライアントインフォメーション
https://www.harrywinston.com

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