ブランドの顔“フィフティ ファゾムス”が充実! 時計好きの琴線を刺激するディテールを備えた2019年ブランパンの新作

 2019年5月14日(火)から16日(木)にかけて、特別に選ばれたプレス関係者だけをスイス各地の会場およびブランド本社に招待して開催されたスウォッチ グループ傘下のラグジュアリー6ブランド合同新作発表会“TIME TO MOVE(タイム・トゥー・ムーブ)”。
 残念ながら、我が編集部の取材は叶わなかったが、遅ればせながらWatch LIFE NEWSでもタイム・トゥー・ムーブで発表された、各ブランドの2019年新作をご紹介。
 今回は、ブランパンから発表された新作を紹介する。

ドイツ海軍への供給を仲介した潜水機材メーカーの名を冠した
“フィフティ ファゾムス バラクーダ”

 いまやブランパンの顔と呼べるほどのポジションを築いている人気のダイバーズウオッチコレクション、フィフティ ファゾムス。

 昨今は、とりわけ1950年代のアンティークに着想を得た文字盤デザインのフィフティ ファゾムス バチスカーフ(2013年登場)や1957〜58年にかけて開発された水密性表示ディスクを装備したMIL-SPECの軍用モデル、MIL-SPEC 1へのオマージュを捧げたフィフティ ファゾムス オートマティック(2017年登場)など、コアな時計ファンの琴線を刺激する復刻デザインやレトロなディテールを備えたモデルを投入し、話題を呼んでいる。
 今年発表された新作においても、コアな時計ファン注目のモデルが登場した。“フィフティ ファゾムス バラクーダ”である。

 フィフティ ファゾムスは、プロダイバーが求める多くの厳しい条件を満たすダイバーズウオッチとして、1953年に発表された。
 フランス海軍特殊潜水部隊が最初にフィフティ ファゾムスを身に着け、水中でのミッションを遂行。その後、他国でも採用されたと言われるが、1960年代にはドイツ海軍でも採用されることになる。その際、ドイツ海軍にフィフティ ファゾムスの供給を仲介したとされるのが、潜水機材の製造・マーケティング専門企業“バラクーダ”だ。

 軍用モデルとは別に、同社がドイツ市場に投入したモデルでは、バイカラーの長方形インデックスに、ホワイトにカラーリングされた蛍光針を採用。3時位置には視認性の高いデイト表示を備えた独特のスタイルを持ち、いまでも“バラクーダ”の名でコアな時計ファンには知られている。

 新作のフィフティ ファゾムス バラクーダでは、シックな黒文字盤に整然と並ぶレッドとホワイトの大きなインデックスには“オールドラジウム”のスーパールミノバを使用。同じオールドラジウムのスーパールミノバを盛ったペンシル型の針には、ホワイトのラッカーを塗装。オリジナル同様、3時位置のデイト表示の小窓は白く縁取られ、視認性を高めている。

 また、オリジナルモデルではベゼルにアクリル製インサートが施されていたが、復刻版ではサファイア製インサートを施したドーム型ベゼルを採用。これは2003年にブランパンが発表した革新的な技術で、ヴィンテージ風の美観と現代モデルにふさわしい高い耐傷性を実現している。

 なお、復刻版バラクーダでは、オリジナルモデルにも見られたスイスの高級ラバーベルト“トロピック”の防水ベルトに着想を得たラバーベルトを採用しているのもポイント。復刻版バラクーダのレトロなデザインに見事にマッチしている。世界限定500本と入手困難なところこそ難点だが、時計ファンにはたまらない1本と言っていいだろう。

フィフティ ファゾムス バラクーダ
1960年代に製造されていた通称“バラクーダ”に着想を得たモデル。限定モデルのフィフティ ファゾムスのためにデザインされた直径40.3mmのSSケースを採用。ムーヴメントには、Cal.1151を搭載。3.25mmという薄型設計でありながら、並列ツインバレルにより約100時間のロングパワーリザーブを確保している。
■Ref.5008B-1130-B52A。SS(40.3mm径)。30気圧防水。自動巻き(Cal.1151)。世界限定500本。139万円(税抜き。年内発売予定)

なお、2019年11月9日にジュネーブで行われるチャリティ オークション“オンリーウォッチ”のために特別に製作されたフィフティ ファゾムス バラクーダも発表されている。こちらは新作のフィフティ ファゾムス バラクーダのデザインをベースに、ベゼルやインデックスにライトブルーカラーを採用。スペックなどは同じだが、1本のみの特別なモデルということで、ケースには“Piece Unique”の文字、自動巻きローターには“ONLY WATCH”の文字が施されている。

 

フランス海軍潜水部隊へのトリビュートとして登場した、
特別な“フロッグマン”モデル

 また、復刻モデルではないが、フランス海軍特殊潜水部隊へのトリビュートモデルとして発表されたフィフティ ファゾムス オートマティック“フロッグマン”も魅力的な新作だ。

 1952年初頭、フランス海軍潜水部隊を新設したロベール・ボブ・マルビエ大尉とクロード・リフォ中尉が開発に参画し、潜水部隊にとって欠かすことのできないダイバーズウオッチとして誕生したフィフティ ファゾムス。そんなフランス海軍潜水部隊との親密なコラボレーションへのトリビュートとして製作されたのが、フィフティ ファゾムス オートマティックの特別エディション“フロッグマン”だ。

 フランス軍はこの特別なモデルの製作に際し、ケースバックに特殊潜水部隊のエンブレムをエングレービングすることを許可。ケースバック中央の錨は海兵隊員たちのシンボル、2頭の有翼のヒッポカンポス(タツノオトシゴ)は、水中の世界と潜水部隊を表現したものとなっている。

 また、文字盤の“Fifty Fathoms”表記の下にあしらわれた数字の“7”。これは、酸素が圧力で部分的に1.7バールに達すると有毒となり、潜水時に純酸素を使用して達することのできる最大深度である“7m”を表現している。

フィフティ ファゾムス オートマティック“フロッグマン”
ベースはレギュラーのフィフティ ファゾムス オートマティックだが、文字盤はドットとバーインデックスの組み合わせが採用されている。なお、ムーヴメントはCal.1315を搭載。耐磁用インナーケースの採用に加えて、非磁性のシリコン製ヒゲゼンマイの採用で優れた耐磁性を実現。さらに直列トリプルバレルにより、約120時間(約5日間)ものロングパワーリザーブを確保した。
■Ref.5015E-1130-B52A。SS(45mm径)。30気圧防水。自動巻き(Cal.1315)。世界限定300本。152万円(税抜き。今夏発売)

 

 なお、フィフティ ファゾムス オートマティックの新作レギュラーモデルとして、チタンケースバージョンが加わった。基本デザインや搭載ムーヴメントはSSケース版と同様だが、ケース素材のみチタンに変更。加えて軟鉄製の耐磁用インナーケースをなくし、シースルーバック仕様とした。その結果、SSケースモデルと比べるとケース厚は0.1mm薄くなっている。


フィフティ ファゾムス オートマティック(チタン)
■Ref.5015-12B30-B52A。 TI(45mm径)。30気圧防水。自動巻き(Cal.1315)。154万円(税抜き。今夏発売)

 

アメリカ空軍のために設計されたプロトタイプモデルを復刻
“ブランパン エアコマンド”

 さて、フィフティ ファゾムスの復刻版のほか、今年の新作にはもうひとつ注目の復刻モデルが発表されている。それがブランパン エアコマンドだ。

 1950年代、アメリカ海軍にフィフティ ファゾムスを納品していたブランパンは、同モデルから着想を得てアメリカ空軍のためにクロノグラフを設計、プロトタイプとして12本の腕時計を制作した。この時計は、当時アメリカにおけるブランパンの販売代理店であったアレン・V・トルネクを通じて、アメリカ空軍パイロットに提供されることとなった。

 復刻モデルもオリジナル同様、飛行前にベゼルを調整することで飛行継続に必要な燃料備蓄が不足する正確な時間を瞬時に確認することができる“カウントダウンタイプ”の回転ベゼル、そして文字盤外周には1000kmまでの速度を表示できるタキメーターを装備。

 オリジナルの外見的特徴がほぼ忠実に再現されている一方、ボックスシェイプの風防はアクリル製ではなくサファイアクリスタル製となった。風防だけでなくブランパンでは初めてケースバックにも採用されており、シースルーバックからプロペラの形をしたレッドゴールド製ローターを備えるムーヴメントがのぞくモダンなスタイルとなっている。

 一方、当時の軍用クロノグラフの多くがそうであったように、フライバック機能とスモールセコンドの搭載が求められた。復刻版ではムーヴメントに現代的な自動巻きクロノグラフを採用。毎秒10振動、コラムホイール式のCal.F388Bを搭載しており、オリジナル同様、クロノグラフのリセット・再スタートを瞬時に行うことができるフライバック機能を備えている。

ブランパン エアコマンド
フィフティ ファゾムス バラクーダ同様、ベゼルの目盛りや文字盤インデックス、針には“オールドラジウム”タイプのスーパールミノバを使用することで、経年変化したオリジナルのオレンジがかった色調を再現。オリジナルに近い外見が再現されているが、ムーヴメントの仕様によって、9時位置のスモールセコンドは、オリジナルとは異なる12時間積算計となっている。
■Ref.AC01-1130-63A。SS(42.5mm径)。3気圧防水。自動巻き(Cal.F388B)。世界限定500本。194万円(税抜き。今秋発売予定)

 

クラシックの定番、ヴィルレコレクションでは
“ウルトラスリム”と“GMT デイト”が登場

 フィフティ ファゾムスだけでなく、ブランパンのクラシックを担うコレクション、ヴィルレでも新作が発表されている。ひとつはヴィルレ ウルトラスリム。もうひとつはヴィルレ GMT デイトだ。

 ウルトラスリムは以前からラインナップされているモデルだが、新作のウルトラスリムでは、デザインとムーヴメントを刷新。よりシンプルで、より薄いモデルとなっている。

 既存の自動巻きウルトラスリムにも搭載されているCal.1150をベースにした自社製の手巻きのCal.11A4Bを搭載。既存モデルにはスモールセコンドとデイト表示、そしてパワーリザーブインジケーターを備えた手巻きのCal.11C5を搭載するモデルがあるが、Cal.11A4Bはスモールセコンドとデイト表示をなくしたシンプルな2針仕様。シンプルな文字盤を損なわないように、パワーリザーブインジケーターは文字盤側ではなくムーヴメント側にレイアウトされている。

ヴィルレ ウルトラスリム
既存モデルよりも一層、薄型化を志向した手巻きのCal.11A4Bを搭載する新作。シリコン製ヒゲゼンマイを備え、二つの香箱で100時間のパワーリザーブを確保するなど基本スペックは変わらないが、ケース厚さはわずか7.39mmとなっている。写真はK18RGモデルだが、 SSモデルもラインナップされている。
■Ref.6605-3642-55B。K18RG(40m径)。3気圧防水。手巻き(Cal.11A4B)。194万円(税抜き。今秋発売予定)

 一方、ヴィルレ GMT デイトは、かつてフィフティ ファゾムスなどでも使われていたGMT機能付きのムーヴメントを搭載したモデル。時針のみの単独修正機能や、それに連動するデイト表示などの基本的な機能は変わらないが、細部をアップデート。また、ヴィルレ コレクションに搭載されていることもあり、GMTウオッチらしからぬ10.28mmというケース厚を実現している。

ヴィルレ GMT デイト
新作に搭載されるのは、ブランパンのアトリエで自社開発された自動巻きムーヴメント、Cal.5A50。以前から存在していたムーヴメントだが、ブランドの最新技術が注ぎ込まれており、100時間のパワーリザーブに加えて、シリコン製ヒゲゼンマイを備えている。ほかのヴィルレ コレクションと同じく、シンプルで洗練されたデザインと視認性の高さも大きな魅力。
■Ref.6662-3642-55B。K18RG(40m径)。3気圧防水。自動巻き(Cal.5A50)。399万円(税抜き。今秋発売予定)

 

 駆け足での紹介となってしまったが、今回も紹介した新作は基本的にメンズ向けのモデル。レディスモデルの新作に関しては、また後日、紹介を予定している。

 

文◎佐藤杏輔(編集部)

 

【問い合わせ先】
ブランパン ブティック銀座
☎︎03-6254-7233
https://www.blancpain.com/ja

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