大浦 龍宇一-男の肖像時計の選択(パワーウオッチVol.109)

左はロレックス ヨットマスター ロレジウム ボーイズモデル。ロレジウムモデルが出たばかりのころに、友人からプレゼントされたもの。右のオメガ シーマスターは、時代劇映画の大スターだった祖父・高田浩吉の形見の品。1960年代製の手巻きで、金張りの枯れた風合いがいい味わいを醸し出している

  大浦さんが愛用の時計として持参してくれたのは、ロレックスのヨットマスター ロレジウムと、古いオメガのシーマスターだった。

「ヨットマスターは、20年近く前に会社を経営している友人が、自分がしていたのを外してプレゼントしてくれたものです。ボーイズだからちょっと小さいんですが、このサイズ感が気に入っていてふだんもよく使っています。シーマスターは祖父(高田浩吉)の形見として譲り受けたものです。祖父はもっといろいろな時計を持っていたようなんですが、すでに多くの人が形見分けに持って行った後で、僕が行ったときにはもうこれくらいしかめぼしい時計は残っていませんでした。金張りですが時代を経たせいか落ち着いた感じですし、祖父らしい風格のあるいい時計だと思います」

 プライベートでもスマホで時間を確認するのにはなじめず、いまでも時計は必ず着ける。時計にまつわる思い出も多い。

「中学受験をしたときに、現役の京大生の非常に優秀な先生に家庭教師についてもらっていたんです。その先生が受験の心得として教えてくれたのが、時計はアナログ針のものを使うといいってことだったんですよ。当時はデジタル時計の全盛期だったんですが、アナログは針の角度で残り時間が感覚的にわかるから、試験のときには便利だっていうんですよね。そのことがずっと頭に残っていて、いまでも時計はちゃんと針のあるものにこだわりたいって気持ちがありますね。子どものころは父が持っていた手巻きのロレックスに憧れていて、友だちの家に泊まりがけで遊びに行ったとき、父に無断で着けていったことがあるんですよ。夜寝るときだと思うんだけど、それを外してそのまま忘れちゃって、家に帰ってからなくしたことに気づいたんですよね。慌てて友だちに電話したら、見つからないって言うんですよ。友だちが隠したって疑うわけじゃないけど、ちゃんと探せば絶対見つかるはずなのにと思いながら、結局は出てこなかったんです。父にはすごく叱られると覚悟して打ち明けたら、叱られなかったけどがっかりしていて、とても申し訳ない気分になったことを覚えています。そのせいか、あのころ父がしていたような手巻きのロレックスは、いまでも欲しいなと思います」

 多くの役柄をこなす大浦さんは、衣装選びに非常に時間をかける。そのときに時計に対しても、様々な角度からその意味を考える。 「自前の時計だとどうしても役に入り込めないんです。時計はストーリーでは説明されないような、役柄の背景を知らせてくれる重要な小道具だと思うんですよ。だからその人物がどうやってこういう人格に至ったかとか、背景を考えながら慎重に選びますね。自分がキャラクターに入り込んでいくのを助けてくれるアイテムなんです」

 

大浦 龍宇一(俳優
OHURA RYUICHI 1968年11月17日、京都府出身。祖父は戦前からの時代劇スターとして有名な高田浩吉、父も俳優という芸能一家で育つ。94年にドラマ『この世の果て』で俳優としてデビュー。96年には出演したドラマ『君と出逢ってから』に、自身が歌う「夏の午後」が主題歌として使用されスマッシュヒットとなる。近年もドラマ『特捜9 season2』『相棒 season17』、映画『世界から希望が消えたなら。』など多くの作品に出演

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