【実機レビュー】 毎時28万8000振動という超高速の革新的モデル、フレデリック・コンスタントのスリムライン モノリシック

 今回取り上げたフレデリック・コンスタントの2021年新作は、各ブランドから今年発表された多くの新作のなかでも革新的なものとしては特に興味深い1本と言えるだろう。その理由は新型のオシレーター(振動子)が搭載されたからだ。

 機械式の心臓部である脱進器はテンプ(テンワとヒゲゼンマイで構成)とアンクルによって構成され、ゼンマイからくる動力を振り子の等時性を利用して、歯車が一定速度で回るように制御している。現代の機械式時計の場合は毎時2万8800振動。つまりテンプが振り子のように1秒間に8回往復回転運動して一定の動きに制御しているというわけだ。

フレデリック・コンスタントの革新的なモデル、スリムライン モノリシック マニュファクチュール

 スリムライン モノリシック マニュファクチュールには、この脱進器に変わって独自のシリコン一体型オシレーターが搭載されている。では何がすごいのかというと、先述した一般的な時計の振動数の10倍という毎時28万8000振動(1秒間に80回)という驚異的な数値で制御されているのだ。そして、高速であればあるほど精度が安定することにつながる。

 しかも次世代オシレーターについては他のブランドでも開発が進むが、これの場合は小型化を可能として汎用性を高めることで日常使いできるサイズ感を実現した。この点も画期的と言えるだろう。

スリムライン モノリシック マニュファクチュールの細部をチェック!

【オシレーターを6時位置の小窓にあえて露出】
小窓から見えるのがオシレーター。超高速なので肉眼では振動している様子は確認できないようだが、これはアイキャッチとしても十分に効果的と言えるだろう。

【ケースも薄くて実用的なところがスゴイ】
革新的な機構が投入されるととかくケースが厚くなったり大型化しがちなのだが、ケース厚は11.38mmと新型のオシレーターが搭載されていてこの薄さは驚きである。あくまで実用を前提に開発されたという点がすばらしい。

【実機を着けてみました】
着けた雰囲気はこんな感じである。ケース幅は40mm径、加えて約11mm厚とサイズもスタンダードで、デザイン的にもクラシカルで普通にスーツスタイルに合わせられる。この使い勝手の良さは大きな魅力だ。また裏ブタに向かってすり鉢状になっているため着用感も抜群である。

フレデリック・コンスタント
スリムライン モノリシック マニュファクチュール
型番:FC-810MC3S6
ケース素材:ステンレススチール
ケースサイズ:40mm/厚さ11.38mm
防水性能:3気圧防水
ムーヴメント:自動巻き(Cal.FC-810/毎時28万8000振動/パワーリザーブ80時間)
機能:時・分・秒表示/ポインターデイト
特記事項:世界限定810本
国内定価:59万4000円

協力:フレデリック・コンスタント

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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