ドイツ時計 レビュー記事

A.ランゲ&ゾーネ新作発表イベントに潜入。気になる新作モデルをインプレッション

 去る4月にドイツ時計界の最高峰ブランドであるA.ランゲ&ゾーネがWatches and Wonders 2022で発表したばかりの新作オデュッセウスとグランド・ランゲ1を日本で披露。今回はその所感とイベントの様子をお届けしたい。

A.ランゲ&ゾーネの本社CEOヴィルヘルム・シュミット氏らによる新作モデルのプレゼンテーションに加え、リージョナルブランドCEO山崎氏のビジネスプレゼンテーションも行われた

 今回、イベントではWatches and Wondersの雰囲気を世界各地のマーケットで共有できるよう、新作モデルをかつてない形で再現。それが初の試みとして製作された“ジャイアント・ホロ・ウォッチ”だ。ごくわずかしか製造されず、店頭に並ぶ機会も極めて少ないモデルでも、ムーヴメントの精緻な装飾やリピーター音などを体感できるというのはうれしい試みだ。

残念ながら日本イベントでは、新作リヒャルト・ランゲ・ミニッツリピーターのサンプル展示はなかったが、代わりにジャイアント・ホロ・ウォッチで披露された

 

オデュッセウス

Ref.363.117。TI(40.5mm径、11.1mm厚)。12気圧防水。自動巻き(Cal.L155.1 DATOMATIC)。世界限定250本。ブティック限定。709万5000円(2022年6月発売予定)

 日本イベントで展示された新作のひとつが、アクティブなライフスタイルに向けた新たなプロダクトファミリーとして2019年に登場したオデュッセウスの最新作で、同社初となるチタンモデルだ。
 ご存じのとおりチタンは、軽量であることや金属アレルギーが出にくいなど時計素材としてメリットは大きいものの、かつては独特の質感や加工の難しさから高級腕時計では敬遠されていた。しかし近年の加工技術の進歩などから仕上げの精度も向上し、積極的に採用するハイブランドも増えてきた。
 チタン仕様のオデュッセウスも、入念な仕上げでステンレススチールモデルと一見して見分けがつかないほどだが、実際に手にするとやはり驚くほどに軽い。オデュッセウス自体がもともと重厚な外装をもつため、恩恵も大きいということだろう。その軽やかな装着感は、“アクティブなライフスタイル”に向けたモデルにふさわしい仕上がり。価格はステンレス仕様の倍以上と高額だが、争奪戦は必至であろう。

 

グランド・ランゲ1

Ref.137.038。K18WG(41mm径、8.2mm厚)。日常生活防水。手巻き(Cal.L095.1)。589万6000円(2022年5月発売予定)

 今年発表されたもうひとつの新作がグランド・ランゲ1のニューバージョンである。均整の取れた文字盤レイアウトは従来のままに、ケースのプロポーションが刷新されており、厚みが従来の8.8mmから8.2mmに薄型化されている。数値だけ聞くとわずか0.6mmに過ぎないと思われるかもしれないが、実際に既存モデルと比べるとその差は歴然。装着感が大きく向上したほか、スリムなプロモーションでいっそうエレガントさが際立っている印象だ。

 装着感の向上に重点を置き、ブラッシュアップされたA.ランゲ&ゾーネの新作のローンチ開始はもうまもなく。気になる人はぜひブティックで実機をチェックしてもらいたい。

 

【問い合わせ先】
A.ランゲ&ゾーネ TEL.0120-23-1845
https://www.alange-soehne.com/

 

文◎堀内大輔(編集部)

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