小スライド 意外と知らない時計知識

【Q104】“クォーツ時計”はなぜ機械式時計より精度が良いのか

A.一般的な機械式時計は毎秒8振動であるのに対し、クォーツ時計は毎秒3万2768振動という高い振動数を発揮するため

 機械式時計に比べ、はるかに高い精度を出すことができるクォーツ式の腕時計。
 一般的な機械式時計の精度が日差−30~+50秒程度と言われており、対してクォーツの精度は月差±20秒程度である。
 では、クォーツ時計はどのようにして高い精度を実現しているのか。

写真の銀色の筒が水晶振動子。ここがクォーツ時計の精度を司る部分である

 まずはクォーツ時計の仕組みを簡単に説明すると、機械式はゼンマイのほどける力を利用するのに対して、クォーツ時計はボタン電池などから得られる電気を使って“水晶振動子”を発振させ、その振動をIC回路が1秒間隔等の電気信号に変換する。この電気信号によりステップモーター(アナログ時計の場合)が駆動して歯車に伝わり、針を動かすという仕組みだ。
 つまり水晶振動子が重要な役割を担う。

 時計の精度は振動数で表わされ、高ければ高いほど高精度ということになる。一般的な機械式時計の振動数は、毎秒8振動。対してクォーツ時計の水晶振動子は毎秒3万2768振動と機械式の約数千倍の振動数なのである。

 

<参考文献>
一般社団法人 日本時計協会公式サイト>時計に関する知識>時計の技術>水晶式時計(クオーツ時計)> - https://www.jcwa.or.jp/time/tech/tech09.html

 

文◎松本由紀(編集部)

 

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