時計好きの方であれば周知の事実かと思われるが、時計ブランドの多くは自社でムーヴメントを製造するのではなく、ムーヴメントの製造を行う専門のメーカーから汎用のムーヴメントを購入して時計を製作し、販売を行っている。
十数年前までは、スイスのETA社が汎用エボーシュの供給をほぼ独占していたのだが、 近年はセリタ社やミヨタ社といったエボーシュメーカーが台頭するようになり、中小の時計ブランドを中心にシェアを拡大。
ETAよりも安価なムーヴメントの流通が増えたことで、10万円台までの予算で購入できる機械式腕時計の選択肢がずいぶんと豊富になった。
また、選択肢が広がったことに加え、製造技術の進化によって手の届く価格でありつつ、実用に耐えうる精度と耐久性を兼ね備えたものが大半であるという点もユーザーにとって嬉しいポイントと言えるだろう。
今回は、そんな10万円台までの機械式時計のなかから、時刻表示にプラスαの機能を備えたファンクション系モデルを選出してみた。機械式時計の入門機としてもおすすめできる力作揃いなので、ぜひチェックしてみて欲しい。
【おすすめの多機能モデル:其の1】
セイコー プレザージュ(SEIKO PRESAGE)
シャープエッジドシリーズ ゼロハリバートン リミテッドエディション
2020年にプレザージュの新機軸として登場して以降、人気モデルとしての地位を確立した“シャープエッジドシリーズ”のゼロハリバートン限定モデル。華美な装飾をそぎ落とすことで本質を表現する、洗練された日本独自の美学が取り入れられたデザインを特徴としており、シャープなシルエットが、力強い輝きを生み出す。
裏ブタからセイコーが誇る機械式の標準機である6R系の自動巻きムーヴメントを鑑賞できる。“Limited Edition”の表記、シリアルナンバー、ガラス部分のゼロハリバートンのロゴマークが特別感を演出している。
■Ref.SARF017。SS(ケース径42.2mm)。日常生活用強化防水(10気圧)。自動巻き(Cal.6R64)。世界限定2000本。17万6000円
【問い合わせ先】
セイコーウオッチお客様相談室
TEL.0120-061-012
【おすすめの多機能モデル:其の2】
オリエントスター(ORIENT STAR)
ダイバー 1964 2ndエディション
1964年に発売されたカレンダーオートオリエントのデザイン要素を継承しつつ、200m潜水用防水、50時間パワーリザーブなど実用性の高いスペックを確保。日本3大鍾乳洞のひとつに数えられている“龍泉洞”の地底湖からインスピレーションを受けたグリーンのグラデーション文字盤が個性を加えている。
■Ref.RK-AU0602E。SS(41mm径)。200m空気潜水用防水。自動巻き(Cal.F6N47)。15万4000円
【問い合わせ先】
オリエントお客様相談室
TEL.042-847-3380
【おすすめの多機能モデル:其の3】
シチズン コレクション(CTIZEN COLLECTION)
NB3020-16W
漆の老舗、坂本乙造商店との共同開発による銀箔漆文字盤を採用するシチズン コレクションの紅葉した森林の薄暮をイメージした“鈍緋色(にびひいろ)”の文字盤は、一つひとつ手作業によって仕上げられ、独特な風合いを生み出しているため、ひとつとして同じものは存在しない。
■SS /デュラテクトプラチナ加工(40.5mm径)。10気圧防水。自動巻き(Cal.9184)。13万2000円
デイト表示と24時間計、そしてパワーリザーブインジケーターと多機能を備えるCal.9184を搭載。フレームデザインのローターがモダンな雰囲気を加えている。
【問い合わせ先】
シチズンお客様時計相談室
TEL:0120-78-4807