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謹賀新年! さて今年のロレックス市場はどうなるのか、新作と相場について“雑感”!|ロレックス通信 No.179

 一方のデイトナだが、2023年はデイトナ誕生から60周年を迎える。しかも、ロレックスがはじめて開発し、2000年からデイトナに搭載されている自動巻きクロノグラフムーヴメント、Cal.4130も今年で23年目に突入する。そのため節目のこのタイミングで新型のクロノグラフムーヴメントの発表とともにリニューアルされる可能性は高いとみている人は多いようだ。

2016年のモデルチェンジによって登場した現在のデイトナ

 ロレックスに精通する修理技術者のクロノドクター・久保氏によると、現在のCal.4130はいくつか改良が加えられたversion3とのこと。そのため「整備性からしたら積算計ジャンパーが組みにくいぐらいで、ほかに気になる部分はほんとないですね」とかなり完成度が高いと言う。その意味では、もし次世代クロノグラフムーヴメントをロレックスが発表するとするならば、どんなすごい技術が投入されて登場するのかとても楽しみであり興味深い。

 なお、たとえデイトナがリニューアルされたとしても外装面については、ほとんど変わらなかったサブマリーナーやエクスプローラー同様に、デイトナのデザインもかなり評価が高いため、基本的なところはほとんど変わらないのではないか。

 最後に昨年から値下がりが続く実勢価格についてだが、正直なところさらに下がるのか、それとも上昇に転じるのかはまったくわからない。ただひとつだけ過去の例にならって言えば、中国人の存在が少なからず今後の実勢価格にも影響を及ぼす可能性があるということだろう。

 インバウンド需要が活況を呈した2019年夏、中国人ユーザーによる需要増がロレックスの人気モデルの異常な高騰に影響を与えたからである。ゼロコロナ政策が廃止されたいま、渡航制限も解除され日本への渡航が今後復活するとなると、2019年と同じ状況が起こりうることはゼロではないと思うのだがいかがだろうか。

 こんなことを勝手に書いても、どうなるかわからないからワクワクさせられる。これがロレックスの魅力であり、そんな2023年も同連載とおして筆者なりの視点でお伝えしていけたらと思う。今年もどうぞよろしくお願いします。

菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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