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【気になるちょい古時計|no.15】 当時ロレックスのシードゥエラーより人気だったIWCのGSTアクアタイマー

 筆者が発行する高級腕時計の専門誌「パワーウオッチ」の、かれこれ約20年前の2002年1月発売号で実施した「読者が欲しい腕時計」ではチタンモデルが10位に入るなど、いまでは考えられないほど注目度は高かったことがわかる。

 当時シードゥエラーの税抜き定価が47万円、一方のGSTアクアタイマーのチタンモデルは48万円とほとんど変わらなかった。にもかかわらず並行輸入品の新品実勢価格で比べると前者が43万円なのに対して後者は28万円。いくらロレックス人気と言ってもアクアタイマーのこの割安感は購入ユーザーにとって大きかったに違いない。

 またチタン製だったため重量もシードゥエラーの約150gに対して約116gとだいぶ軽かった。ちなみにGSTアクアタイマーのステンレスタイプの重さは171gとシードゥエラーよりもさらに重く、しかもケースやブレスれっとの仕上げに鏡面仕上げが採用されたりと、ハイスペックダイバーの印象とはちょっと違った点もチタン製に軍配が上がった要因のひとつだったのかもしれない。

 そして、不思議なことにステンレスのほうが定価自体も2万円高く、実勢価格もそのぶん割高だったのである。なお、チタンモデルの現在の中古実勢価格は50万円台といったところのようだ。

IWC GSTアクアタイマー
■商品データ
Ref.3536-001
製造期間:1998〜2003年
素材:チタン
ケース径:42mm、厚さ15mm
防水性:2000m防水(新品時)
駆動方式:自動巻き(Cal.37524)
当時の税抜き参考定価:48万円(実勢価格28万円)

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菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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