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【アメリカ西海岸・ポートランド生まれの本格時計】新鋭“VERO(ベロ)”が待望の新作を発表

“VERO(ベロ)”は2015年、アメリカ西海岸のオレゴン州ポートランドでクリス・ブードロー氏とダニー・レコードン氏によって創設された。ブランド名の“Vero”とはイタリア語で“真実”を意味しており、この言葉をブランドコンセプトにしながら、 “スポーツウオッチの耐久性と、デイリーユースに適した着用感”を兼ね備えた時計を適正な価格で展開している。

新興時計ブランドの多くはアジアから部品を調達して組み立てるビジネスモデルを採用しているが、 ベロではリューズなどパーツの設計に加え、外装に使用する部品のほとんどをポートランド北部にある工房で製造している。ムーヴメントはスイス製、針はフランス製だが、パーツの供給を受けるパートナー会社の情報に加え、自社が時計製造について何をしていて、何をしていないかの透明性を保ち、少量生産にこだわることで、手頃でありながら高い品質管理を可能にしているのだ。

また、ベロは適正な価格と品質を備えた時計を提供するだけでなく、長く愛用できる時計を販売することも使命であると考えており、時計業界でも珍しい10年保証を付けているのも特徴のひとつである。いかなる損傷に対しても10年間“問答無用の保証”を提供するもので、時計業界でも珍しいサービスといえるだろう。 今回は、ベロのコレクションから二つの新モデルを紹介しよう。


スモーキー・ベア・ウォッチ

1950年の春、アメリカ南西部にあるニューメキシコ山火事の際、木の上で立ち往生していた子グマを救出した。このクマは“スモーキー”と名付けられ、象徴的な森の守護者でありマスコットとして何百万人もの人々に影響を与えることになる。助けられた子グマも、自分がマスコットになるとは知る由もなかったことだろう。 それから70年以上経過した今でも“スモーキー”はアメリカ国民に絶大な知名度があり、アメリカ森林局のキャラクターとして山火事防止の啓蒙活動を行っている。

そのスモーキーの誕生79周年を記念した公式モデルが、 スモーキー ‘44とスモーキー ’64 だ。濃いブラウン文字盤の自動巻きフィールドウォッチで、デザイン違いで二つのモデルを展開。文字盤のカラーリングは森林保護という重要なメッセージを伝えるのに役立っている。ベロは各時計の売り上げから10%をアメリカ森林局に寄付し、次世代のために森林を保護・保全する活動支援することとなっている。

【スモーキー’44 とスモーキー’64 の違いを確認してみる】

スモーキー’44 とスモーキー’64 はともに、ケースサイズ38mm、厚さ12mmのステンレススチールケースを採用。ねじ込み式リューズとARコーティングを施したフラットサファイアクリスタル風防を備え、防水機能は120mを確保している。 ムーヴメントはセイコー製のCal.NH38Aを搭載。 各モデルにはクイックリリーススプリング付きレザーストラップ、キャンバスNATOストラップが付属する。スモーキー・ベア・ウォッチの販売価格は450米ドル(約6万8000円)。 2023年11月現在、スモーキー '64は購入可能だが、スモーキー ’44 は完売しており、2023年11月に再入荷予定となっている。


ワークホース・クロノ

次に紹介するモデル、ワークホース・クロノは視認性の高い文字盤と未来的なデザインが特徴の現代的なフィールドウオッチだ。 機能的で頑丈なこの時計は風雨に耐えるタフさを保証し、過酷なアウトドアアドベンチャーにも適している。 DLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)コーティングが施されており、ステンレススチールケースを擦り傷から守る。ケースを挟み込んで衝撃から守る、ラバー仕上げのスチール製ブルホーンが装備されているのも特徴となっている。

リューズとクロノグラフのプッシャーはレフトハンド仕様。 9時位置のリューズで時刻の調整、2時位置のリューズでベゼルの調整、8時位置のオレンジのプッシャーでクロノグラフの作動と停止、10時位置のブラックのプッシャーでクロノグラフのリセットを行う仕様だ。

【3種類のカラバリで雰囲気がまったく違う】

ワークホース・クロノ・シリーズにはバックカントリー、キャニオン、トラックデイの3種類のカラーバリエーションがラインナップされており、ケースサイズ44.5mm、厚さ13.5mmのステンレススチールケースを採用。 トリプル・ガスケット・スクリューダウン・リューズ、ARコート・フラットサファイアクリスタル風防により120m防水が確保されている。 ケースの内部にはミヨタのクォーツムーヴメント、Cal. 6S21を搭載。ナイロンにレザーの補強を加えたベルトとベルクロベルトが組み合わせで付属する。 販売価格は450米ドル(約6万8000円)。


》VERO(ベロ)
公式サイト
https://vero-watch.com


文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。

https://www.instagram.com/spherebranding/

 


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