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カレンダー調整、あなたは「やる派」と「やらない派」どっち?|菊地吉正の【ロレックス通信 No.243】

唐突な質問で恐縮だが、読者のみなさんはデイトジャストなどのカレンダー機能が付いたロレックスを着ける際に、もし日付けが合っていなかった場合は、ちゃんと合わせないと気がすまないタイプだろうか。それともまったく気にしないタイプのどっちだろう。ちなみに筆者は前者である。

そのため旧型のロレックスが好きな筆者は、日付け表示が付いたモデルを狙う際に日付けを早送りできる機能、いわゆるクィックチェンジ機構の有無は重要なポイントなのである。なぜかというとクィックチェンジがあればリューズでダイレクトに日付け調整可能だが、それがないと希望の数字が出てくるまでリューズで時分針をぐるぐる回して日付けを送っていく必要がある。それが2〜3日ならまだいいが10日以上も違っていたりすると、さすがに着けるのを躊躇するぐらい面倒に感じてしまうからだ。

頻繁に同じ時計を着けていればあまり気にならないが、毎日のように別の時計に着け替える人にとってはそう感じることも多いのではないだろうか。

ちなみにロレックスがクィックチェンジ機構を採用したのは1979年以降。1500系の自動巻きムーヴメントに変わって登場した3000系からである。

先日、ある並行輸入店に行ったときのこと、かなりコンデションのいい、しかも文字盤が珍しいグレーのデイデイト、Ref.1803(写真はシャンパンで別のものです)が置いてあった。金ケースはいくつか所有するが、金ブレスというのは持っていないため実はデイデイトも購入候補に挙げていたためかなり迷ったのでる。なぜかというと1803のようにクィックチェンジのない1500系のデイデイトの場合は日付けのみならず曜日表示まであるため、とにかく日付け調整がさらに複雑で大変だからだ。

「ちゃんと合わせないと気がすまない派」にとっては、デイトジャストならまだしも許されるが、デイデイトとなるとやっぱりすべて合わせたうえで着けて楽しみたい。ということで悩ましきかな、あきらめたという次第だ。さて、みなさんはどうだろうか。。。

参考までに1500系ムーヴのデイデイトの日付けと曜日の合わせ方は以下のとおりである。

1、リューズを1段引いて時間合わせのポジションにする(1500系はクイックチェンジ機構がないためそもそも1段しか引けない)
2、最初に曜日から。時分針をグルグル右回りに進めて合わせたい希望する曜日の1日前の曜日が表示されたところで3時過ぎ位置ぐらいで針をとめる。
3、続いて日付けを設定する。そのままの位置から針を半時計回りに回して午後9時過ぎくらいまで戻す。その際に曜日が前日に戻るが再び針を右回転させてまた3時位置まで移動する際に曜日は元に戻り日付も1日進む。
つまり、希望の日付けが表示されるまでこの往復操作を繰り返し、日付けが合ったところで時刻を合わせて終了だ。

どうだろう、なかなかの大変さである(笑)。ただ、雰囲気的はやっぱり4桁レファレンスはいいんですよね〜。あ〜残念!

菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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