先週の8月2日(土)と3日(日)の2日間開催された日本最大のアンティーク時計の販売会“アンティーク時計フェア in 銀座”。筆者が刊行する業界唯一のアンティークの時計専門雑誌「LowBEAT(ロービート)」が主催する時計イベントである。2018年にスタートして今年が6回目(コロナ禍で2回中止)だ。
入場料は開催初日の午前10時から12時までは6500円と高額で、それ以降は1200円。つまり初日の午前中はまだ商品が潤沢にある時間帯ということで仕入れ目的のショップ関係者やディープなアンティーク時計の収集家向けに高額になっているというわけだ。
販売されている商品はロレックスやオメガ、IWCといった有名ブランドから国産ブランドの1960年代以前の古いアンティーク時計が中心。なかにはパーツや工具までもが揃う。しかも価格は2〜3万円のものから数千万円までとかなり幅広い。
おかげさまで今回もたくさんの方に来場をいただき大盛況となったのだが、例年と比べると外国人の来場者が多かった印象だ。しかもみなさん若く、なかにはまとめ買いでの交渉なども見受けられた。コロナ前に戻った感じだった。
そしてもうひとつ、意外だったのがアベックで来ている人も例年に比べるとだいぶ多く感じた。しかもおそらくは30歳代前後とこちらも比較的に若く、まさにジレニアル世代(ゼニアル世代とも)。
近年ファッション界でのヴィンテージブームを牽引しているのが比較的に購買意欲も高いこの1993〜98年(異説あり)生まれのジレニアル世代と言われており、もしその流れが時計にも向いてくれたのだとすれば、ユーザーが高齢化傾向にある時計業界にとってはこれほど喜ばしいことはないだろう。
さて、次回開催は1年後。2026年8月1日(土)と2日(日)を予定している。「この時計、こんなにするんだ!」なんて見るだけでも新鮮でけっこう楽しい。イベント2日目の14時からは入場無料となるため、もし銀座に来たらぜひ立ち寄っていただきたい。
菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa